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日銀保有のETF、含み益「24兆円」に岸田政権が目をつけた! 法人税増税先送りされた「防衛費」の穴埋めか
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.07.15 15:28 最終更新日:2023.07.15 15:28
《春以降の株急騰で最も潤ったのは日銀かもしれない。なにしろ年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をしのぐ日本株の実質的な最大保有者だ。上場投資信託(ETF)保有残高は6月末の時価で60兆円を突破し、含み益は24兆円強に達したとみられる》
7月15日付の日本経済新聞が、「オピニオン」記事でこう報じている。
日経平均株価は、7月3日の終値で3万3753円をつけ、バブル崩壊後の最高値になった。株価が堅調に推移すれば、ETFの分配金も上振れするので、必然的に日銀の“収入”がさらに伸びることになる。
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「日銀は、準備金や出資者への配当に充当されるものを除き、最終利益にあたる剰余金は、国民の財産として国庫に納付しなければなりません。5月29日に『2022年度決算』を発表しましたが、それによると剰余金は2兆875億円。国庫納付金は1兆9831億円です。そのうち、ETFの分配金で得たのは1兆1000億円。2023年度は前年度以上の納付金が見込まれています」(経済担当記者)
この納付金の“使い道”が永田町で話題になっている。
「7月13日に開かれた自民党税制調査会で、防衛増税のうち法人税増税の開始時期を『スケジュール的にたいへんきつい状況』として、2025年以降に先送りする考えが示されました。防衛費については、2023年度から5年間で総額43兆円程度、確保するとして、財源のうち1兆円を法人税、所得税、たばこ税で賄う方針です。しかし2022年度の税収が過去最高の71兆円台になったことから、自民党内には『増税は先送りするべきだ』という声が強まっていました。
しかし、財源は確保しなければならなりません。2022年度の財務省の決算剰余金、2兆6294億円の半分を活用するようですが、どうやら日銀からの納付金も当てにしているようなのです。うがった見方かもしれませんが、ETFの分配金と法人税、所得税、たばこ増税で得られる金額は一致しています」(政治担当記者)
日銀の納付金が活用されて、増税に歯止めがかかることに国民も反対はしないと思うが、真っ先に法人税が俎上に上がることに疑問を持つ声も多いはずだ。
「岸田内閣が提唱している『次元の異なる少子化対策』では、2024年度から3年間の集中期間で年に3兆5000億円の財源が必要としています。しかし、その確保の具体策は年末まで先送りされました。
政府は『徹底した歳出改革』をしたうえで『医療保険料の上乗せ』を訴えていますが、増税と変わりなく、国民負担につながります。そのため『防衛増強費より少子化対策に使え』という声が大きくなることは必至でしょう」(永田町関係者)
岸田首相が考える「優先順位」を聞いてみたいところだ。
( SmartFLASH )