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札幌・首狩り殺人の闇 ひきこもり娘の激高事件、昆虫を偏愛する母の日常、崩れ去った父との「完全犯罪」計画【徹底取材】

社会・政治 投稿日:2023.07.31 06:00FLASH編集部

札幌・首狩り殺人の闇 ひきこもり娘の激高事件、昆虫を偏愛する母の日常、崩れ去った父との「完全犯罪」計画【徹底取材】

瑠奈容疑者の小学校の卒業アルバム写真

 

 7月2日に札幌市すすきので発覚した“首狩り殺人”が、日本中を揺るがしている。

 

「恵庭市に住む60代の会社員Aさんが、ラブホテルの浴室で頭部を失い、全裸の状態で発見されました」(社会部記者)

 

 当初はAさんの身元すらわからない状態だったが、7月24日に北海道警は、札幌市厚別区に住む無職の田村瑠奈容疑者と、父親で精神科医の修容疑者を、死体損壊、死体領得、死体遺棄の疑いで逮捕。さらに翌日には、母親の浩子容疑者も、死体遺棄などの疑いで逮捕した。

 

 

「Aさんの頭部は、田村一家の自宅の浴槽で、腐敗が進んだ状態で発見されました。瑠奈容疑者は当日、Aさんとラブホテルに入室しており、父親は娘の送迎をしていました。また、事件の前に父娘で市内のドン・キホーテを訪れ、凶器とみられる刃物や、頭部を運ぶのに使ったスーツケースを購入しています。修容疑者は、過労死問題に率先して取り組む“熱血医”として、現地メディアに知られており、衝撃が広がっています」(社会部記者)

 

 一家から明確な殺意を向けられていたAさん。すすきのでは、よく知られた存在だったという。

 

「女装家なんですよ。『元AKB48の板野友美に似ているね』と言われたことに喜び、以後自分のことを“ともちん”や“ともちゃん”と名乗っていました」(バーの店員)

 

 事件当日も、女装してディスコイベントに参加していたAさん。市内にあるハプニングバーの常連でもあった。

 

「正直、“ともちん”は、すすきのの鼻つまみ者だよ。しつこく女のコにつきまとうからね。あるハプニングバーは、ともちんとトラブルになり、ともちんが勤務する会社にクレームの電話を入れたほどです。うちの店にも7~8年前から通っていましたが、女のコをビルの外で待ち伏せしてラブホテルに誘うため、何度も注意したことがあります。女のコは、女装したともちんを“女性”として優しく扱うから、仲よくなりやすい。それを逆手に取って、ともちんは“女漁り”をしていたんです」(別のバーの店員)

 

 夜の街を積極的に闊歩するAさんとは対照的に、瑠奈容疑者は“ひきこもり”だった。

 

「小学生のころから周囲になじめず、不登校でした。たまの外出は、アクセサリーを作る教室に通うぐらい。一方、両親は娘に甘く、やりたいようにさせていました。じつは、小学生のときに、同級生が『高そうなドレスを着ている』と瑠奈容疑者を茶化した際、瑠奈容疑者がカッターナイフを持って馬乗りになり『次言ったら殺す』と脅す事件があったそうです」(地元紙記者)

 

 一部では、瑠奈容疑者がナース姿で接客をするファッションヘルスの従業員だったと報じられたが、現地記者の間では誤報ではないかと騒ぎになっている。

 

「真偽は不明ですが、Twitterではこの件で、週刊誌に嘘の情報を教えたと暴露する人物も登場しました。そもそも逮捕当初、捜査当局は『瑠奈容疑者は解離性同一性障害、いわゆる多重人格と思われるが、ふれないように』とメディアに要請していました。さらに、瑠奈容疑者はスマホすら持っていなかったそうです。このような状態で、風俗店に勤務できるとはとうてい思えません」(同前)

 

 対照的な2人の間で何が起きたのか。事件の発端は“性加害トラブル”だとみられる。

 

「2人は今春、ダンスクラブで出会い、事件までに複数回、会っていたそうです。浩子容疑者は『娘が暴行を受けた』と供述していますし、祖父は『集英社オンライン』に対し『(瑠奈が)ラブホテルに入った途端に相手(Aさん)は男になった』と証言しています。捜査関係者は、このトラブルは両親をまじえて一度は話し合い、解決したものの、再びAさんが現われ、今回の事件が起きたとみています」(同前)

 

 近所でも評判の、屋上つき3階建ての豪邸に住む、仲むつまじい田村一家。しかし、Aさんとのトラブルを境に“闇”に引き込まれていった。母・浩子容疑者と交流があった近所の住民はこう語る。

 

「浩子さんは植物と昆虫が好きで、うちの庭に虫を捕りに来ることもありました。ある日、庭でアケビコノハという真っ黒でグロテスクな幼虫を見つけると、浩子さんは腕に這わせて嬉しそうにしていました。弱った虫を飼い、元気にして自然に返すことも。旦那さんは無口でしたが、浩子さんと一緒に楽しんでいる様子でした」

 

 虫も殺さぬ夫婦には、2023年の5月から異変が起きていた。

 

「家の車庫に、大量のクーラーボックスが置かれるようになったんです。6月初旬に、浩子さんが家の中で膝を骨折しました。さらに、ご主人は帰宅しても、室内灯を点けて、車の中に何時間もこもっている状態でした」(同前)

 

 この時期、一家の生活がすさんでいたのは間違いない。

 

「24日に、2人を逮捕するために捜査員が自宅を訪れた際、玄関にはゴミがあふれて中に入ることができなかったそうです。その後の家宅捜索は実質“大掃除”。散乱するゴミをビニール袋に集め、トラックで運んでいます」(捜査関係者)

 

 ゴミ屋敷の中で田村一家は、完全犯罪に向け、着々と準備を進めていたのか――。

 

「捜査関係者の間では、緻密な殺人計画を作ったのは、父・修容疑者だと疑われています。実際、ホテルからは瑠奈容疑者の指紋が出ず、偽装のための着替えやウィッグも発見されています。首だけでなく、遺体をすべて解体し、スーツケースに入れて運んでいれば、迷宮入りした可能性もありました。“完全犯罪”を目論んで用意周到に計画していたが、気が動転し、首だけを切りホテルを出てしまった……。この筋書きが、現在、もっとも有力です」(地元紙記者)

 

 一家が堕ちた闇は、はてしなく深そうだ。

 

写真・梅基展央

( 週刊FLASH 2023年8月15日号 )

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