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「子煩悩」「生徒思い」殺人容疑で逮捕の中学教師、借金判明も「なぜ被害者狙った?」近隣住民首かしげ

社会・政治 投稿日:2023.05.13 17:48FLASH編集部

「子煩悩」「生徒思い」殺人容疑で逮捕の中学教師、借金判明も「なぜ被害者狙った?」近隣住民首かしげ

送検される尾本容疑者

 

「とても人を殺すような先生には見えなかったけど、もし本当なら何を信じていいのかわからないし、怖いです」

 

 そう肩を落とすのは、尾本幸祐容疑者(36)の勤めていた東京都江戸川区・松江第五中学校に通う1年生の生徒だ。

 

「2月24日、東京都江戸川区に住む派遣社員の山岸正文さん(63)を刃物のようなもので複数回切りつけ、血液が喉に詰まる血液吸引性窒息により殺害した容疑で、5月10日、尾本容疑者が逮捕されました。現場には、刃物の柄部分だけが見つかっています」(捜査関係者)

 

 

 現役中学教諭による殺人事件は、世間に大きな衝撃を与えることとなった。

 

「逮捕当日の午前中、黒色のスーツを着た捜査員が4〜5人、尾本さんの家に入っていったので、何かあったのかなと思っていましたが、数時間後には段ボールを自宅から大量に運び出していたので、ただごとではないと感じました」(近隣住民)

 

 逮捕された尾本容疑者は、日本大学を卒業後の2010年に東京都の教員採用試験に合格すると、7年間、江東区・深川第一中学校に勤め、3年間、新島の中学校に赴任。

 

 その後2年間、文京区・第八中学校での勤務を経て、2022年4月に松江第五中学校に赴任した。計13年間、特別支援学級の教員として働いていた。

 

 松江第五中学校や周辺を取材して浮かび上がってきたのは、尾本容疑者の意外な素顔だった。

 

「僕は尾本先生を信じています……中学校に入ってから尾本先生としゃべる機会があったので、『特別支援学級の生徒はどんな人なの?』って聞いたら、『全員、とてもいい子で元気だよ』って言われたのを覚えています。そんな優しい先生が殺人なんて、何かの間違いなんじゃないかな」(中学2年生)

 

 先生として生徒から信頼されていた様子の尾本容疑者。別の中学2年生の生徒も驚きながらこう語る。

 

「委員会活動で、僕が正門の前に立ってあいさつするときがあったんですが、他の先生はあまり目を合わさず、軽いあいさつで過ぎ去っていくんですけど、尾本先生はしっかり目を見て、『おはよう!』とあいさつしてくれたのが印象的ですね」

 

 さらに、尾本容疑者が勤めていた深川第一中学校に進学した生徒もこう話す。

 

「尾本先生が深川第一中学校の3年生の担任をしていたときだったと思うのですが、僕は翌年にその学校に行く予定でした。特別支援学級への進学だったのですが、お母さんに、『尾本先生はいい人だよ。安心して』と言われたのを覚えています」

 

 尾本容疑者の住宅は、目の前に小学校がある閑静な住宅街の3階建ての一軒家。長男が産まれた2017年に約4000万円で購入したとみられる。

 

 自宅周辺を訪れると、尾本容疑者用と思われる自転車と子ども用自転車が数台置かれていた。評判のよさは “父親” としても変わりはない。

 

「尾本さんは専業主婦の奥さんと7歳と5歳の息子、そして2歳の娘がいる5人家族です。

 

 本当に子煩悩な方でね……よく、息子さんとキャッチボールをして遊んでいるのを見ましたよ。夏には、自宅のガレージにプールを出して水遊びしていましたし、一緒にサイクリングしているのも見かけました。

 

 最後に話したのは逮捕される3日前です。いつもどおり世間話をしていると、『息子が先月から小学校に上がったんですよ』と嬉しそうにニコニコしていました。

 

 尾本さんの両親がお孫さんと遊びに来ていましたし、尾本さんも『実家が近いので自転車で帰るんです』と言っていたので、仲がいいご家庭だなと思っていました」(近隣住民)

 

 まさに絵に描いたような幸せな家庭を持ち、キャリアも積み上げてきた尾本容疑者は、いったいどこで道を踏み外したのか……。

 

 捜査関係者によると、住宅ローンのほかに数百万円の借金を抱えていたという。被害者である山岸さんは、尾本容疑者が勤務する中学から直線で150メートルの位置に住んでいた。金品目的の犯行に思われるものの、近隣住民は首を傾げる。

 

「山岸さんはもともと両親と弟と4人暮らしで、松江第五中学校出身です。山岸さんと弟さんが家を出てから、両親のふたり暮らしになったのですが、4〜5年前にお父さんが亡くなってすぐお母さんが認知症になったんですよね。

 

 介護のこともあって、山岸さんが自宅に戻ってふたり暮らしをしていたのですが、決して裕福なようには見えなかったですよ。このあたりは地主も多いので、金品目的であればなぜ山岸さんの自宅を狙ったのか不思議です」

 

 別の近隣住民は、事件当日のことを思い出しながら目を伏せる。

 

「2月の小雨が降る日の午後7時前、山岸さん宅の前に救急車が停まったんです。そうしたら、担架に乗せられた山岸さんが救急隊員の人に心臓マッサージされながら運ばれるのが見えました。

 

 それから1カ月後くらいに、刑事さんが訪ねてきて防犯カメラに映っている黒色の服の男性の写真をタブレットで見せてきて……。

 

 認知症になったお母さんは創価学会員だったのですが、勧誘とかもなかったですし、山岸さんも恨まれるような人ではないので本当に残念でならないです」

 

 信頼できる先生で、子煩悩な男の殺人容疑。一刻も早い、尾本容疑者の “裏の顔” の全貌解明が待たれる。

( SmartFLASH )

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