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岸田首相が狙う「サラリーマンのカネ」は年収600万円なら増税31万円! 森永卓郎氏が課税額を年収別試算

社会・政治 投稿日:2023.08.03 06:00FLASH編集部

岸田首相が狙う「サラリーマンのカネ」は年収600万円なら増税31万円! 森永卓郎氏が課税額を年収別試算

 

「とても信じられませんよ。岸田首相の頭のど真ん中には、“増税”があるはずです」

 

と憤るのは、経済アナリストの森永卓郎氏だ。

 

「サラリーマン増税はまったく考えていない」。7月25日、岸田文雄首相は、自民党税制調査会の宮沢洋一会長に、こう伝えたと明らかにした。

 

 

“異次元の”少子化対策に加え、防衛費の増大――。これらの財源をめぐり、政府税制調査会が6月末に公表した中期答申で示されたのが、通勤手当や退職金への課税、そして給与所得控除や扶養控除の見直しだった。いずれも、サラリーマンを狙い撃ちしたかのような“仕打ち”が、「サラリーマン増税」と猛批判を浴びた。

 

「岸田首相はやる気満々で、アドバルーンを上げたら支持率が激落ちしてしまった。そこであわてて『サラリーマン増税』を否定したのでしょう。しかし、とりあえずいまはやりすごして、いずれ支持率が回復してきたら、また増税を持ち出すという作戦でしょうね。岸田首相は、財務省の影響を強く受けていますから」

 

 では今回、示された増税メニューがすべて実施された場合、我々サラリーマンの負担はどれほど増えるのか。森永氏に年収、そしてライフスタイル別に試算をしてもらった。

 

 試算結果をみる前に、今回、対象になった控除や課税の項目について軽くおさらいしておこう。

 

 給与所得控除とは、フリーランスの場合と同じように、サラリーマンなどの給与所得の一定額は必要経費に相当すると考え、所得税の課税対象から控除する制度だ。最低の控除額は55万円で、収入に応じて控除額が高くなり、最高で195万円控除される。今回の試算では、増税により最低控除のみ残されると設定した。また扶養控除は、高校生や大学生の子がいる場合に、控除を受けることができる。

 

 さらに、通勤手当は電車、バスなどの公共交通機関を使って通勤している場合、1カ月に15万円以内なら非課税となる。

 

「いままでは、これらの控除によって、課税対象とされる所得は、実際の給料よりも低い金額でした。これらの控除を廃止するということは、まさに『サラリーマン増税』です」

 

 試算では、妻と高校生の子ども1人がいる場合と、独身者の場合にわけ、それぞれ200万円、400万円、600万円、800万円の年収ごとにシミュレーションした(別表を参照)。

 

 たとえば、独身で年収600万円の場合を見てみよう。現行の社会保険料が93万9600円で、所得税が20万667円。住民税が30万4040円だ。これらをすべて年収から引くと合計で、手取りの収入は455万5692円だ。

 

 一方、給与所得控除が廃止された場合、所得税は38万6530円で、18万5862円の増税となる。住民税は41万3040円となり、10万9000円の増税だ。扶養控除廃止の影響はないが、通勤手当課税により、さらに新たに1万4334円の所得税が課税される。そしてトータルでは、手取り年収は32万3532円減って423万2160円となった。

 

 最大の影響を受けるのは、年収800万円の妻子持ち。これまで手取りが609万1787円だったのに、なんと約52万円も負担が増えて、手取りはわずか557万4851円だ。

 

「試算結果はある意味、予想どおりでした。それにしても、年収600万円で家庭があると、約31万円も負担が増えるということは、ボーナスを考えるとほぼ1カ月分の月収が消えるわけですよ。やはり、国民の生活への影響は大きいでしょう。控除をちょっといじっただけで、簡単に税収を増やせるんですから、財務省がサラリーマン増税に執着するのもよくわかります」

 

 さらに、森永氏はサラリーマンのご褒美ともいえる退職金についても警戒している。

 

 そもそも現行の制度では、退職金について、勤続年数が20年めまでは年40万円、21年め以降は年70万円控除すると定められている。なので、勤続40年で退職し、退職金の総額を2280万円とすると、所得税約2万円、住民税4万円を引かれるだけですむのだ。

 

「しかし、これを21年め以降の控除額の増額をやめるという“年40万円フラット”にした場合、約60万円も税金に取られることになってしまいます。また、退職金の控除そのものをやめると、約341万円も税を納める必要が出てきます。退職所得控除の増税は、政府が発表した『骨太の方針』に書いてありますから、とくに“年40万円フラット”に変わる可能性は高いと思います」

 

 増税以外にも、家計の負担はどんどん大きくなっている。

 

「岸田首相は、給料は増えたと喧伝していますが、実質賃金は2023年5月の段階で前年比1.2%下がっているんです。物価上昇に賃金が追いついていないんですよ。しかも、税金と社会保障負担の国民負担率は、1980年度には約30%だったのが、2022年度には47.5%と、ほぼ5割にまで達しています。いくら働いても、およそ半分が国に持っていかれる時代ですよ」

 

 だが官邸は、人事でも増税に向けてひた走る。

 

「7月4日、財務省のエースといわれる一松旬(ひとまつ じゅん)氏を首相秘書官にしました。財務省は増税を“勝ち”と呼び、減税を“負け”と呼ぶ組織です。岸田首相の魔の手から、サラリーマンが逃れることはできないでしょう」

 

 国民の苦しい生活を知らず、財務省の言いなりの岸田首相は、そろそろ“年貢の納めどき”だ。

( 週刊FLASH 2023年8月15日号 )

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