社会・政治
弁護士監修の「性的同意アプリ」がリリース予定も心配される“悪用”「いまの若者がかわいそう」の声も
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.17 18:03 最終更新日:2023.08.18 00:26
性犯罪規定を見直す改正刑法が7月13日に施行された。この刑法改正により、「強制性交罪等」と「準強制性交罪等」が統合し、新たに「不同意性交罪等(刑法177条)」に改称。さらに「強制わいせつ罪」と「準強制猥褻罪」も同様に、「不同意わいせつ罪(刑法176条)」に改称された。
従来の強制性交等罪と準強制性交等罪の規定は、文言が抽象的で解釈にばらつきが生じる要因となっており、2019年には各地の裁判所で性犯罪の無罪判決が相次いだことが、規定見直しのきっかけとなった。
関連記事:渋谷に「下着ハロウィン」女性が大量発生…「なんでこの格好にしたの?」本人たちに聞いた【画像あり】
不同意性交等罪は「同意しない意思を形成し、表明し、もしくは全うすること」を困難にして性交などをした場合に成立。要因となる行為や状況として「暴行・脅迫」に加え「アルコール・薬物の摂取」「恐怖・驚がく」「虐待」「地位利用」など8項目を列挙した。これらに「類する」場合も処罰する。
そんななか、「カップルの健全な関係を育むため」に、弁護士が監修した性的同意アプリ『キロク』が8月25日にリリースされる予定だという。プレスリリースを見てみると、
《『不同意性交等罪』について、性交等をした時点で同意があったと思っていた場合でも、後からお相手が「本当は同意していなかった」と申告することで、加害者として罪に問われる可能性があり、密室で同意があったことを証明するのは困難です。
そのような相違を防ぐ為に『性的同意書』を準備する必要がありますが、紙を出して記名・捺印の手順はその場の雰囲気を壊してしまったりと懸念の声が上がっています。そこで法改正に伴い性行為の同意をお持ちの端末上で行える〈性的同意アプリ「キロク」〉を開発中です。》
とある。使い方としては、画面上の説明に沿って「同意する」を選択。位置情報をオンにし、QRコードを読み取り、相手と画面を共有することで、ともに同意するという流れだ。なお、弁護士監修のため、訴訟リスクの軽減、保証担保も可能であるという。
しかし、ネット上で聞かれるのは、“悪用”への懸念や、このようなアプリが必要になってきた時代の流れへの嘆息だ。
《顔認証とかで相手のスマホを勝手に操作したら同意させられるので、悪用は防げないし、全く意味がないかと。動画を撮っておくだけの方が、まだ証拠になる気がします》
《ひどい世の中になった。今の若者が可哀想》
《ますます少子化が進むな》
恋愛や男女の出会いについて精通するライターが語る。
「『時代の流れ』と言ってしまえば、そうなのかもしれません。しかし、こうしたアプリが定着するようなことになれば、恋愛経験の少ない男女は、ますます性行為へのハードルが上がるでしょう。それどころか『性交渉なんて、めんどくさい』と思う若者が、増えるかもしれません」
はたして、このアプリ、定着するのか……。
( SmartFLASH )