社会・政治
損保ジャパン、ビッグモーターの不正知りながら取引再開した可能性…SNSであふれる憤慨「やはりグルだったか!」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.08.29 21:10 最終更新日:2023.08.29 21:10
保険金の不正請求などが問題視されているビッグモーターをめぐり、8月29日にNHKが報じた損保ジャパン社長の発言が大きな波紋を呼んでいる。
同社の白川儀一社長が、ビッグモーターに不正の可能性があると知りながら、2022年7月の役員会議で「追加調査はおこなわず、いったん中止した取引を再開してはどうか」と発言したというのだ。これはいったいどういう意味を持つのか。
【関連記事:ビッグモーター社長、故郷を捨てた「兄への絶縁宣言」ソニー創業者・盛田昭夫邸跡に「60億円豪邸」建てるまで】
「損保ジャパンは、2011年から2023年3月まで、計37人の社員をビッグモーターへ出向させていたことがわかっています。ほかの大手損保会社からの出向者もいましたが、数では同社が最多です。
自動車保険を扱う営業部門だけでなく、不正のあった板金・塗装部門にも出向者を出していました。
2022年6月、不正を疑われたビッグモーターは、損保ジャパンを含む大手3社に社内調査の結果を報告したのですが、他社が『調査が不十分』と追加調査を要請するなか、損保ジャパンのみが一時停止していた取引を再開したのです。
NHKの報道が事実なら、取引再開にあたり、損保ジャパンは不正を知りながらあえて関係継続の道を選んだことになります。ビッグモーターとの “共犯関係” さえ示唆する大きなニュースでしょう」(経済担当記者)
かねて、ビッグモーターと損保ジャパンの親密さは指摘されている。
「社員出向だけではありません。7月に引責辞任した兼重宏一前副社長は、2011年から1年ほど損保ジャパンの前身企業のひとつ『日本興亜損保』に在籍していました。
また、2015年ごろ、損保ジャパンがビッグモーターの株式の7%あまりを保有する大株主だったこともわかっています。
損保各社は、事故にあった保険契約者に修理工場としてビッグモーターを紹介、一方、ビッグモーターは保険代理店として中古車を購入した人に自賠責保険の加入を紹介するわけで、完全に “持ちつ持たれつ” の関係です。
この関係を崩したくないというのは、ひとつの経営判断として十分ありえるでしょう。実際、NHKの報道では、追加調査をおこなえばビッグモーターと以前のような関係に戻れなくなるという懸念から、『追加調査せずに取引再開してはどうか』と発言したとしています」(同)
この発言をした白川社長は、1993年に損保ジャパンの前身である安田火災海上保険に入社、2022年に “37人抜き” で社長に就任する超スピード出世で、経済界を驚かせた人物だ。
「新規事業開発で頭角を現し、取締役になってからもデスクにいるタイプではなく、忙しく動き回っていました。社内の評判も『好奇心旺盛で偉ぶらない』と好評ですね。『大切なのは人。信頼される人物になれ』が口癖だと聞いています」(自動車業界の関係者)
だが、皮肉にも、いまは会社の「信頼」が危うい状態だ。
鈴木俊一金融担当大臣は、8月29日、閣議後の会見で「1社だけが取引再開した経緯について報告を求めている。一連の不正行為に関連し、保険契約者の保護に欠ける問題が認められた場合は、法令に基づいて厳正に対応したい」としている。
「ビッグモーター社長が辞任を表明した3日後、損保ジャパンは『ビッグモーターとの保険代理店契約を終了し、損害賠償請求をおこなう準備を進める』と発表しました。『社会全体に大きな影響を与える事件であると、きわめて厳粛に受け止めている。お客さまの保護を最優先に、必要な手続きを進める』としましたが、NHKの報道が事実なら、このコメントもそらぞらしいとしか言いようがありません」(同)
実際、SNSには《ズブズブじゃないか》《やはりグルだったか》と共犯関係を疑うコメントが噴出している。損保ジャパンの白川社長は、9月末までに会見で事態を説明するとしているが、はたして何が語られるのか――。
( SmartFLASH )