9月18日の「敬老の日」にあたり、総務省は高齢者に関する統計を発表した。80歳以上の高齢者が日本の総人口に占める割合は10.1%で、初めて「10人に1人」が80歳以上となった。
高齢化が進むこの国で、特に深刻な状況にあるのが「過疎地域」。総務省資料によると、過疎地域での高齢者(65歳以上)の割合は39.7%で、全国平均の28%を大きく上回っている。
その過疎地域で課題とされているのが、交通手段の確保だ。電車やバスなどの公共交通が少ないうえ、利用者の減少やドライバーの高齢化などで廃止されてしまうことも多い。
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そんななか国土交通省は15日、新たに過疎地での個人タクシーの営業を認め、運転手の年齢上限を80歳とする方針を明らかにした。
「現在、個人タクシーの営業が認められているのは、人口30万人以上の地域のみで、運転手の年齢は75歳まで。過疎地域では法人タクシーの撤退も相次いでおり、交通手段の確保はさらに難しくなっています。こうした状況を受けての緩和策で、都市部で働いていたドライバーのUターンやIターンを想定しているようです。この10月からの施行が予定されています」(週刊誌記者)
だが、この“苦肉の策”、一部からは反発を招いている。五輪3大会に出場し現在は会社経営者の為末大氏は15日、このニュース報道について自身の「X」に
《これは安全と言えるのでしょうか》
と、投稿。実業家の堀江貴文氏は16日、自身のYouTubeチャンネルで「ぶっちゃけ怖い」「80歳って言ったら、運転免許証をほとんどの人が返納しないといけないような歳じゃないですか」と疑問を呈した。
SNSでも
《高齢者はさっさと運転免許返納しろとか言ってるのに80歳までタクシー運転手やれとか…本当に一貫性がない》
《80歳になったら全員一旦運転免許返納した方が良いと思っているので、タクシー運転手なんて論外だ。高齢者の運転のヤバさを知らんのかと》
など批判的な声が多数。なかでも多いのが
《80歳のタクシーの運転なんか許可してないでさっさとライドシェア解禁すればいいじゃん。普通に怖いでしょおじいちゃんの運転手》
《進む方向が完全に真逆ですね。世界中で当たり前のライドシェアをお願いします》
といった、「ライドシェア」解禁を推奨する意見だ。
「海外では普及が著しい有償ライドシェアですが、国内ではタクシー業界などが反対し、事実上禁止されています。いま海外で主流となっているのは、アプリを介して自家用車の所有者と乗客を仲介するスタイルで、市場規模も一気に拡大しています。おもな懸念材料は、ドライバーと乗客の間のトラブルですが、客がドライバーを評価するシステムによって、悪質なドライバーを排除しようという動きもあります。
現在、タクシーの運転手は人手不足で、平均年齢も60歳を超えています。こうした流れをみても、ライドシェア導入への議論は必要でしょう」(同前)
神奈川県の黒岩祐治知事は9月17日、出演したテレビ番組で「神奈川版ライドシェア」の検討を表明。日本維新の会もライドシェア解禁を目指している。
先の堀江氏もYouTubeで「ライドシェアの解禁、過疎地では必須では」「国民の命を危険に晒してタクシー業界の利権を守ろうとしている。言語道断じゃないですか」「さっさと国はライドシェアを解禁すべき」と主張している。
今後、解禁へ向けた議論は進むのか――。
( SmartFLASH )