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「ダンボール授乳室」に議論百出「ひどすぎて泣きそう」「女不快罪」…所管の国交省は「子育て応援になる」と判断

社会・政治 投稿日:2023.09.25 21:25FLASH編集部

「ダンボール授乳室」に議論百出「ひどすぎて泣きそう」「女不快罪」…所管の国交省は「子育て応援になる」と判断

写真・AC

 

 道の駅に設置された「ダンボール授乳室」をめぐって賛否が渦巻いている。設置されたのは、島根県松江市の道の駅「秋鹿なぎさ公園」の1階「情報コーナー」だ。

 

 国土交通省は子育て応援施策として、全国の道の駅のベビーコーナー設置率を「2025年度までに50%以上」とする目標を掲げている。

 

 

 この目標を踏まえ、「日本道路建設業協会」が7月から3年間で、全国の道の駅150カ所に「ダンボール授乳室」を寄贈するとしており、今回の寄贈は大分県豊後大野市に続く2例めとなる。

 

「日本道路建設業協会」と「全国道の駅連絡会」が6月末、連名で発表したプレスリリースによると、「ダンボール授乳室」は幅190cm×奥行き104cm×高さ195cmで、《常設にも耐える安心・安全な強化ダンボール製の簡易設置型授乳室》とのこと。第16回ひろしまグッドデザイン賞で「プロダクト部門奨励賞」を受賞している。

 

 ただ、出入り口はカーテンの仕切りだけで鍵をかけられず、天井に覆いもない。そのため、侵入や覗きの危険があることから、SNSでは批判的な声が多くあがった。

 

《なにこれ、酷すぎて泣きそう。一過性のイベント用とかならまだしも、あんな立派な建物の道の駅の授乳室がダンボール…出ているのもオジサンばかりで、実際に使う女性の羞恥や恐怖には無頓着過ぎる これで子育て支援と言われても、ピントがズレすぎて言葉がない》

 

《天井開いてるしカーテンちゃんと閉まらないし、荷物置く棚とかもないし、こんな所で安心して授乳出来るわけないじゃん。子供連れて外出してる人が手ぶらな訳ないでしょ。おっさんが適当に作った資源ゴミじゃなくて、まともなスペースをちゃんと工事して作りなよ》

 

 一方、ダンボール製だからという批判については、否定的な意見も。

 

《正直「ダンボール授乳室が許せない!!!」ってのは「なんで軽自動車で私を迎えに来るの?外車できなさいよ!!!」っていってるようなもんなのだ。ダンボールという「やすっぽさ」が気に食わないのだ》

 

《公衆の面前で木製の箱並みに頑丈な強化ダンボール製の授乳室を破壊するような異常者は、普通の授乳室も破壊する可能性が高いのでそこは心配しても意味が無いと思う》

 

 SNSでは、「女不快罪」なる言葉も飛び交った。

 

《女不快罪 女のワガママに付き合うのも悪い。そんなに何かを設置したり、自分達に都合の良いサービスを受けたかったら金を払えよw タダで何かをして貰えると思うなよ。金の払えねー奴は文句を言う権利無いんだよ》

 

《女子不快罪が適用された理由は安全性が云々よりダンボール製って簡易さが安く見積もられてる気がするから。女の子はー絶対安全完全スペース以外は認めないしー安く作られたスペースなんて舐められてるとしか思わない》

 

《女子不快罪じゃなくて、安心して使えないからでしょ。一男性目線でもそう思う。とはいえ、この取組を始めたことは評価する。適切なコメントを取捨選択すれば、運用改善ができて、カバーできると思ったので、国交省は頑張って欲しい。何事にも、批判はつきもの。行政とて無謬である必要もない》

 

 ダンボール授乳室に賛否が渦巻いていることに関して、こども家庭庁に聞いてみると、「道の駅の子育て支援関係は、国交省の道路局企画課の所管で、こちらではなんともコメントしようがありません」とのこと。

 

 そこで、国交省道路局企画課評価室に話を聞いた。

 

――ダンボール授乳室に関して、SNSで賛否両論が渦巻いています。

 

「取り組みの主体は日本道路建設業協会です。こちらとしては、子育て応援を含めて力を入れていますので、授乳室の寄贈はたいへんありがたいことと思っております。

 

 ただ、いろんな意見が出ていることも承知しています。貴重な意見もたくさん出ていると思うので、対応可能なものは、商品の改良も含むのかもしれませんが、できるだけ対応いただくよう、日本道路建設業協会にお伝えしております。

 

 協会のほうでも、『しっかり対応していく』ということですので、今後、改善されるよう期待しております」

 

――常設というのが信じられないという批判もあります。

 

「寄贈元のほうで商品を選んでいて、広島でグッドデザインを取っていて、開発にあたって女性の声も取り入れているということですので、いいものだとは思っています。

 

 協会のほうからは、いま道の駅に子育てスペースがないところを中心に寄贈先を選定していると聞いています。それが常設になるかは(道の)駅によると思います。ただ、いま子育てスペースがないところに入っていく点で、子育てを応援することになると受け止めています」

 

 松江市では、すでに上から覗きこめないよう、天井に半透明の覆いをかぶせる改良を加え、今後、カーテンを二重にするなどの対策を進める方向という。今回、沸き起こった批判が、よりよい方向に向かうことを願うばかりだ。

( SmartFLASH )

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