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岸田首相は「歯ごたえ」安倍氏は「ジューシー」が決めゼリフ 首相たちの「食リポ力」を評価する

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.09.28 14:34 最終更新日:2023.09.28 14:40

岸田首相は「歯ごたえ」安倍氏は「ジューシー」が決めゼリフ 首相たちの「食リポ力」を評価する

九州産のトビウオ製品を口にする岸田文雄首相(写真・時事通信)

 

 岸田文雄首相が9月26日、長崎県平戸市の黒田成彦市長らと首相官邸で面会し、九州名産のあご(トビウオ)を使ったかまぼこを試食して「柔らかく、芳醇(ほうじゅん)だ」と笑顔を見せた。

 

 歴代の首相経験者は、全国各地の特産品の生産者などと対面し、名物を味わって評価するため、「食リポ」の力が求められることも多い。

 

 

 これまで、岸田首相が何度も使ってきたのは「歯ごたえ」という表現だ。

 

 2021年11月25日、奈良県産の柿を宣伝する「奈良の柿PRレディ」から、奈良名産の柿を贈られた岸田首相は「歯ごたえがあって新鮮」と絶賛。

 

 また2022年9月5日、JA全農とっとりから贈呈された鳥取県特産のナシ「二十世紀」と「新甘泉(しんかんせん)」を味わった際にも「慣れ親しんだ懐かしい味で、歯ごたえが大変すばらしい」と、ここでも「歯ごたえ」を強調した。

 

 さらに2023年8月30日、海洋放出された処理水の安全性をアピールするため、福島県産の海産物を食べた際にも「歯ごたえが違う」と、またも同じフレーズを使った。

 

 最近では「増税メガネ」とも揶揄される岸田首相。首相就任初期には記者の言葉もメモするなど「聞く力」を評価されてきたが、「食リポ力」にはまだまだ課題が残る格好だ。

 

 同じように、「ジューシー」のフレーズを多用していたのは、安倍晋三元首相だ。

 

 2018年6月、茨城県鉾田市からメロンを贈呈されて安倍元首相は「非常にジューシーですね。たいへん癒やされた」とコメント。

 

 また同年8月、宮崎県西都市の農家でキュウリを試食した際には、首相官邸のInstagramで「朝獲(ど)れキュウリをいただきました。ほんとに、うまい! みずみずしくて、ジューシー、最高の味でした」と語り、「#ジューシー」のハッシュタグまであった。

 

 さらには、ビーフジャーキーまで「ジューシー」と表現したことも。

 

 2018年12月21日の朝日新聞では、グルメリポーターとして知られる彦摩呂が「食感や見た目の感想をうまく取り込んでみて」と、首相にアドバイス。「うわー、赤いー!」など、あえて見た目の感想を伝えるのも効果的、との助言を、記事を通じて送っていた。

 

 それでも、首相辞任後の2021年5月18日のX(旧Twitter)で、安倍元首相は宮崎の完熟マンゴーに「もちろんジューシー。さすが日本が誇る最高級品です」と、またも「ジューシー」を投稿。

 

 ひとつの言い方にこだわったのは、一度は体調不良で辞任した首相の座に返り咲いた「あきらめない」気持ちを、食リポでも発揮したともいえるだろう。

 

 そんな安倍元首相からバトンを引き継いだ菅義偉(よしひで)前首相は、パンケーキ好きで知られる。政治ドキュメンタリー映画『パンケーキを毒見する』のタイトルにもなったほどだが、首相在任期間はコロナ禍だったため、マスコミの前での食リポはほとんどなかった。

 

 2020年10月15日、安倍政権以来、恒例となった「奈良の柿」を試食した際には「甘いね、本当においしい」とシンプルにコメント。

 

 政権がわずか1年であっさりと終わったように、食リポもあっさりとしたものだった。

 

 一方、首相就任時は民主党で現在は立憲民主党の野田佳彦元首相は、在任中の2012年6月8日、紀州梅の会の「はちみつ漬けの梅干し」を食べ「たいへんおいしい。多事多難なときに、こんな立派な梅をいただいて、元気が出る」と笑顔でコメント。東日本大震災の傷が癒えない時期だっただけに、泥臭く生きる「ドジョウ宰相」と呼ばれた、野田元首相らしい各方面に配慮した食リポを披露した。

 

 首相は日本の舵取り役として、その動向すべてが注目されている。「首相の食リポ能力」もしかり。岸田首相には「歯ごたえ」だけでなく、「聞きごたえ」のある食リポを期待したい。

( SmartFLASH )

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