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「技能実習生という名の奴隷」転職認めぬ “欠陥制度” の指摘も…昨年は9000人超が失踪、犯罪多発、違法ビジネス跋扈

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.10.05 18:44 最終更新日:2023.10.05 18:49

「技能実習生という名の奴隷」転職認めぬ “欠陥制度” の指摘も…昨年は9000人超が失踪、犯罪多発、違法ビジネス跋扈

 

 2022年に失踪した技能実習生は、9006人にのぼることがわかった。2021年の7167人から約26%の増加で、2018年の9052人に次いで、史上2番めの多さとなった。

 

 法務省の資料によると、9006人のうち、ベトナム人が6016人で全体の3分の2を占める。次いで中国(922人)、カンボジア(829人)、ミャンマー(607人)などとなっている。

 

 

 職種別では、約半数(4717人)を占めるのが「建築関係」。その他「農業」(948人)「食品製造」(697人)「機械・金属」(546人)などで、さまざまな業種に技能実習生が携わっていることがわかる。

 

「現在、技能実習生として日本に在留する外国人は約32万人。1年間でそのうちの3%近くが失踪しているわけで、すでに大きな社会問題と言えるでしょう。

 

 人材育成を通じた国際貢献を目的とし、1993年から始まった外国人技能実習制度ですが、その実態は人手不足の産業の働き手の確保。

 

 以前から賃金不払いやパワハラなどが横行し、批判を浴びています。2022年に厚生労働省が実施した調査によると、技能実習生を受け入れている事業者のうち、73.7%で法令違反が見つかっています。

 

 また、実習生の多くがブローカーに多額の手数料を払って来日していることや、原則として職場を変わることができないという制度の欠陥も指摘されています。転職が制限されている理由は、『育成』のために1カ所で長く働くことが望ましい、というものです。

 

 しかし、現実的には、転職を認めた場合、より給料や環境のいい職場へ移る実習生が増え、態勢を整えて受け入れた事業者の損失になるという、損得勘定のためなのです」(経済担当記者)

 

 SNSでは、

 

《技能実習生なんて名前はやめるべき。あんなの詐欺でしょう。正式名称は日本の人手不足解消のための現代版奴隷制度》

 

《技能実習生の失踪とか言うけど、あれ現在の奴隷制度だもんな》

 

 などの意見が多数ある。エジプト出身で歯に衣着せぬ発言でも知られるタレントのフィフィ氏も、10月4日、自身の「X」で

 

《制度が問題、技能実習生(低賃金現代の奴隷制度)なんて都合のいい扱いせず、ちゃんと労働者として受け入れて、転職も認めたら?》

 

 と主張している。

 

 また、技能実習制度に関連した人材派遣業者の違法行為や、実習生による犯罪も少なくない。

 

 警視庁国際犯罪対策課は、9月29日、人材派遣会社「エムズ」(東京)の社長ら3人を入管法違反容疑で逮捕。同社は、カンボジア人の技能実習生を実習先から意図的に「失踪」させ、運送会社に派遣して働かせていた。2018年から約200人を違法に派遣し、紹介料などの売り上げは4億5000万円とみられている。

 

 国内のベトナム人犯罪の摘発件数は、2013年に1197件だったが、2022年には3579件まで急増。その背景には、技能実習生として来日するベトナム人の増加があるとみられる。

 

「安価な労働力」として、使い捨てにされる技能実習生。政府は制度を廃止したうえで、新たな制度を創設するとしているが、はたして――。

( SmartFLASH )

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