社会・政治
岸田首相「増税メガネ」気にして「国民に還元を!」…上げる予定の法人税・所得税を「とりあえず減税しとけ」のブレブレ
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.10.16 18:45 最終更新日:2023.10.16 18:55
「増税メガネ」と揶揄されたせいか、岸田首相がブレブレにぶれている。
「岸田首相は、2022年12月、防衛費をGDP2%にするうえで、毎年およそ4兆円の追加財源が必要だとし、どれだけ歳出削減をおこなっても年1兆円以上が足らなくなるとしました。そのため、増税を検討するよう、指示を出したのです。
結果として、法人税と所得税を中心にした増税が決まりましたが、今度は、自民党や公明党内で『その両方を減税する』という議論が盛り上がっているんです。この矛盾に、おおくの国民が戸惑いを覚えている状況です」(政治担当記者)
【関連記事:100兆円吹っ飛ばした岸田首相に投資家が大ブーイング「支持率3%」の惨状】
岸田首相は、9月25日の記者会見で、唐突に「成長の成果である税収増を国民に適切に還元する」と述べた。発言を受け、自民党の世耕弘成参議院幹事長らが減税を訴え、これに公明党も同調。10月に政府がまとめる「新たな経済対策」に、法人税と所得税の減税が盛り込まれそうな気配だ。
「政府はこれまで、防衛費増額に向け、法人税、所得税、たばこ税の3税から1兆円をひねり出すとしてきました。
法人税は、納税額に対して4~4.5%程度を増税しますが、実施は『2024年以降の適切な時期』として決定を先送りしています。
また、所得税は、東日本大震災の復興特別税として上乗せ徴収されている2.1%から、額にして約2000億円を転用します。国民の納税額そのものは変わりませんが、転用分を補うため徴収期間を2057年ごろまで大幅に延長するので、これが増税につながります。
こうした負担増を求めておきながら、SNSで『増税メガネ』が流行した途端、『減税します』と言い出したわけですから、国民が混乱するのも当然でしょう」(同)
自民党の森山裕総務会長は、15日、「所得税の減税は過去にも実施したことがあり、そのときの検証結果をよく見ながらということだと思う。慎重なのが正しい方向」と記者団に語り、予防線を張り始めた。
前出の政治記者が、この「森山発言」について「これまで自民党は減税で痛い目にあってきましたからね。減税は鬼門。実行することに躊躇しているんです」と説明する。
「歴史を振り返ると、自民党は減税発言でつまずくことが多かったんです。もっともトラウマになっているのが、1996年に発足した橋本龍太郎内閣でしょう。
1998年の参院選を前に特別減税の復活を掲げましたが、野党から財源などを突っ込まれてしどろもどろになり、説明も二転三転。これが『優柔不断』と言われ、参院選で惨敗、内閣は退陣することになりました。森山会長はこれを心配しているのでしょう」
俳優の石原良純は、9日、浮上した減税論に対し、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、「メガネがどうのこうのって話で減税の話を持ち出していいのかなと。バカにされているんじゃないかなという気がする」とコメントした。
「とりあえず減税と言っておけばいいや」……そんな岸田首相の浅い目論見は、国民もとうにお見通しなのだ。
( SmartFLASH )