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「中身のないリーダーはいらないよ」岸田首相「ガソリン補助金」4月末まで延長するも、やまない大ブーイング
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.10.24 17:10 最終更新日:2023.10.24 17:19
「経済!経済!経済! 私はなによりも経済に重点を置いてまいります」
10月23日、岸田文雄首相は、臨時国会の所信表明演説で「経済」というワードを熱く連呼。野党から「増税、増税」と野次が飛んでも、ひるむことはなかった。
「野次を楽しんでいるかのように、うすら笑いさえ浮かべていたのが印象的でした。演説ではさらに、『経済は一丁目一番地』『3年で変革』などと断言して最優先で取り組む姿勢を強調。とりわけ物価高対策を喫緊の課題としました」(経済担当記者)
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国民生活を直撃している「物価高」といえば、食料品に続きガソリン・ガス・電気代の高騰だろう。岸田首相は、今年9月、緊急措置としてレギュラーガソリンの上限価格をリッター175円に抑えるための補助金、電気とガス料金の負担軽減措置を年末まで継続する考えを示していた。
「しかし、価格が落ち着く気配がないため、政府が近くまとめる新たな経済対策の原案に、春までの延長が盛り込まれることになりました。
岸田首相の所信表明演説が終わった直後、NHKは『ガソリン補助金来年4月末まで延長へ』と断定調の報道をしましたから、4月末までの延長は確定したと言えるでしょう。
実は、演説する前は、ガソリン補助金は来年3月末までが既定路線でした。実際、朝日新聞も10月19日に『3月末まで延長 臨時国会で首相表明へ』と書いていることから、当初は3月末までのはずだったのでしょう。
岸田首相は、『経済!経済!経済!』といった手前もあり、なんとしても1カ月長くして自分の功績にしたかったのでしょう(笑)」(経済担当記者)
とはいえ、逆に言えば、5月以降、負担軽減措置は規模を縮小することが視野に入る。5月からの具体策は決まっていないが、財務省や経産省からは補助の継続に対して抵抗する声も聞こえてくる。
西村康稔経済産業相は、24日の閣議後記者会見で、「このペースでいくと年間数兆円の財政支出となる。いつまでも続けるわけにもいかない。国際情勢、エネルギー価格がどう変動していくかということも踏まえ、出口を見据えないといけない」と語った。これまで総額6.2兆円をつぎ込んできたという。
「こうした発言からも、補助金の3度めの延長はないと思われます。そうなると、再び議論の俎上にあがるのがガソリンの二重課税問題です。
ガソリンは税金の塊といわれます。ガソリン税とは揮発油税と地方揮発油税のことですが、現在は1リットルあたり53.8円が課税されています。このうちの “上乗せ分” 25.1円をなくせば、すぐに価格は安くなります。
このカギを握るのが『トリガー条項』です。2010年に当時の民主党政権で法制化、連続する3カ月の平均小売価格が1リットル160円を超えたときに適用して、上乗せ分の25.1円を一時的に免除するという内容です。
現在は、2011年に発生した東日本大震災の復興財源を確保するための『震災特例法』で、トリガー条項の発動は凍結されていますが、この発動を望む声が非常に多いのです」(前出・経済担当記者)
ネットニュースのコメント欄にも、補助金が打ち止めされたあとのガソリン代アップを心配して、
《補助金じゃなくガソリン税廃止にしたら良いだけの事でしょうに!》
《補助金よりトリガー条項を発令し暫定税率をなくした方が結果的には安く済むのに》
といった書き込みが目立った。また、「X」には、
《経済の何を問題に思っていて、経済をどうしたいの? 中身のない演説はいらないよ。中身のないリーダーもいらないよ》
《本来『経済』って言葉は『経世済民(世を経め、民を済ふ)』を語源とする美しい言葉なんですよ》
《経済、経済、経済!というてたかもしれませんが、増税だ!増税!増税!にしか聞こえませんでした》
と、演説に具体性がないとの批判が集まっていた。
国民が望む「ガソリン税廃止」「トリガー条項の発令」については一顧だにせず、業界への補助金は1カ月延長してやる気を見せた岸田首相。「経済!経済!経済!」と叫ぶが、国民の将来の不安を解消してくれる答弁を聞いたことがない。
( SmartFLASH )