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クマ被害が過去最悪…24年前「ツキノワグマを巴投げで撃退」した男性が本誌に語った「10分間の緊迫勝負」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.10.26 21:00 最終更新日:2023.10.26 21:09
日本各地で、クマによる被害が報じられている。10月18日には、東京都町田市の青少年施設「ネイチャーファクトリー東京町田」内で、クマ1頭が目撃された。東京都環境局のホームページによると、都内では2023年4月以降、奥多摩町や檜原村などで、約110件の目撃情報があるという。
目撃情報の多くが登山道や林道だが、都の担当者は「情報があった場所に行く際には、鈴をつけて鳴らすなど、被害に遭わないための対策をとってほしい」と注意を呼びかけている。
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クマの被害がとくに多いのが、東北地方の岩手県と秋田県。こちらもこの1カ月ほどでさらに増えていて、過去最多のペースとなっている。かつて、本誌記者は、ツキノワグマを「巴投げ」で撃退したという岩手県在住の男性から、そのときの様子について話を聞いたことがある。いまから24年前のことだ。
岩手県二戸郡にすむその男性は、身長172cm、体重63kg。当時73歳だった。午後2時半ごろ、自宅の裏山で男性を襲ったのは、体長170cm、体重125kgのツキノワグマだ。クマは、男性の顔に1発、左手に1発、“先制パンチ”を入れてきた。元ハンターだった男性は、緊迫する空気のなか、ひるまず10分ほど応戦したという。
しかし、次第に男性が劣勢になり、最終的にクマに馬乗りにされる形になってしまう。「やられる、とにかく投げ飛ばさなきゃ」と思った男性は、とっさに右足を蹴り上げた。すると、クマはそのまま前方に転がるようにすっ飛んでいったのだ。まさに「巴投げ」がみごとに決まった瞬間だ。
驚いたクマはそのまま退散し、男性も立ち上がって、全速力でその場を走って逃げた。クマによる顔への攻撃は、幸い唇が腫れる程度のものだった。
そして、このニュースがきっかけに、男性は「時の人」に。取材が殺到したという。そのときの状況を、男性は当時、本誌に語っている。
「休みなしで、クマより恐ろしいと思った。クマと相撲とったのはせいぜい10分程度のもんだが、3時間も4時間も(取材で)山にいて、もう疲れちゃってさ」
男性が巴投げを決められたのは、幸運に尽きると言うほかない。我々がクマを目撃したら、慎重な対応が求められる。
( SmartFLASH )