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自公に立憲合流して「消費大増税」連立政権誕生へ!合言葉は「反・維新」【財務省が描く悪夢のシナリオ】

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.11.15 06:00 最終更新日:2023.11.15 06:00

自公に立憲合流して「消費大増税」連立政権誕生へ!合言葉は「反・維新」【財務省が描く悪夢のシナリオ】

力ない様子で立憲の泉健太代表の代表質問を聞く岸田首相。内閣総辞職の日は近いか…(写真・長谷川 新)

 

「まずは経済対策」

 

 11月9日、年内の衆院解散を見送る意思を固めたと報じられた岸田文雄首相。だが、事態はもはや解散どころではない。“次期首相”を中心に、政界再編成の動きまで出ているのだから――。

 

 

自民党内では、わが身大事な議員たちは“沈黙”を選んでいます。黙っていても、首相自ら墓穴を掘っている状態ですから。このまま支持率が下がり続けて自滅=総辞職、という先行きが現実味を帯び始めています」(政治ジャーナリスト・野上忠興氏)

 

 わずか4万円の定額減税を発表し、国民から失笑を買ったことに加え、山田太郎文部科学政務官は、不倫発覚で辞任。柿沢未途法務副大臣は、江東区長選挙での公職選挙法違反の疑いで辞任するなど、不祥事続きの岸田内閣。

 

「本人は『減税をしてあげているのに、なんでこんなに悪口を言われるんだ』と周囲にボヤいているようで、何もわかっていないんです。ウクライナやイスラエル、北朝鮮などの外交問題で得点を稼ぎ『支持率回復だ』と意気込んでいると聞いていますが、絵に描いた餅ですよ」(野上氏)

 

 とくに、防衛費や少子化対策のための大増税を控えるなか、岸田首相は小手先の減税策にすがったことで、“虎の尾”を踏んだという。元朝日新聞デスクで、政治ジャーナリストの鮫島浩氏が解説する。

 

「永田町では次の政権の枠組み作りに向け、水面下で動きが出ています。その枠組みとはずばり、自民党、公明党、立憲民主党の大連立です」

 

 キーになるのは、政界に絶大な影響力を誇る財務省だ。

 

「大前提として、財務省は『増税できたやつが出世する』という世界です。とくに消費税増税は悲願なんです。そのために、彼らは財務大臣以外にも、予算委員会などの国会運営を通じ、各政党の国会対策委員、いわゆる“国対”の政治家とも仲を深めます。財務省は、政治家連中をいかに“財務省派”に引き入れるかを考えているのです。当初、岸田首相は、伝統的に財政規律を重視する宏池会出身の首相として歓迎されていたんですよ。側近の木原誠二幹事長代理も、財務省出身ですから。しかし、今回の減税案を岸田首相に吹き込んだのは、あろうことか当の木原幹事長代理。だから2人は現在、党内でも財務省派の議員に嫌悪され、完全に孤立しています。首相の従兄である宮沢洋一税調会長すらカンカンです」(鮫島氏・以下同)

 

 首相を見捨てた財務省が描いた図が、立憲との大連立だ。

 

「そもそも消費税増税とは、必ず支持率を落とす、どんな政治家も嫌がる政策です。そこで、常に野党との合意が必要とされてきました。消費税を5%から8%、そして10%へと段階的に引き上げるという“三党合意”は、2012年に野田佳彦首相が、当時野党だった自民党、公明党と結んだものです。さらに歴史を振り返れば、3%から5%への増税も約30年前の『自社さ』の連立政権で、村山内閣が決めました。財務省の戦略は常に、与党と野党の双方に増税を働きかけるというものです」

 

 そして、現在の立憲民主党には、野田元総理を中心に多くの“財務省派”が在籍する。

 

「安住淳国対委員長もそうですし、岡田克也幹事長は当時の副総理で、枝野幸男議員は経産相。当時の大物財務事務次官だった勝栄二郎氏は、今でも隠然とした力を持っており、自民党の“財務省派議員”と立憲を結びつけようと画策しているんですよ」

 

 母体となる組織もある。「令和臨調」という、財政などの日本社会の“持続可能性”について提言する民間団体だ。

 

「この団体に呼応する超党派の議員連盟があるのですが、特別顧問には自民党の大島理森元衆議院議長が入っていて、野田元総理が立憲から参加。筆頭代表世話人は、小渕優子氏です。全員が財務省に近しい“増税派”の議連です」

 

 実際の選挙でも、“大連立”の雛型になるものが生まれつつある。2024年2月に実施される京都市長選だ。

 

「元民主党参院議員の松井孝治氏が、立憲からの推薦に加え、自民・公明からも推薦を受ける予定です。伝統的に共産党系の候補が強いという土地柄もありますが、今回は勢いに乗る日本維新の会も候補者を立てる予定なので、より緊密な連携が必要になります。自公立が“反維新・反共産”を旗印に戦うわけです」

 

 こうした構図が、国政にまで広がる可能性があるのだ。

 

「自民党が党勢を復活する見込みはないし、立憲も無党派層を維新に奪われる可能性が高い。そこで次の総選挙後は、“反・維新”を掲げて連立するというわけです。もちろん、消費税増税は密約で、選挙後にしか発表しないでしょうけどね。現状、ポスト岸田レースでトップを走るのは茂木敏充幹事長ですが、麻生太郎副総裁とともに、増税にひた走るのは容易に想像できます」

 

 血税を搾り取るためなら野合も辞さない――。悪夢のシナリオだ。

( 週刊FLASH 2023年11月28日・12月5日合併号 )

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