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「トリガー条項」協議開始も財務大臣は「事前に聞いてない」…岸田首相は「抵抗勢力・財務省」に勝てるのか

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.11.30 16:12 最終更新日:2023.11.30 16:25

「トリガー条項」協議開始も財務大臣は「事前に聞いてない」…岸田首相は「抵抗勢力・財務省」に勝てるのか

鈴木財務相と話す岸田首相(写真:つのだよしお/アフロ)

 

「トリガー条項」の凍結解除をめぐり、自民、公明、国民の3党協議が、11月30日から始まった。トリガー条項は、レギュラーガソリンの値段が1リットル160円を3カ月連続で超えた場合、上乗せ分の税金25.1円の徴収を中止するもので、価格を直接的に下げる効果がある。

 

「岸田首相は、28日の参院予算委員会で『(ガソリンなどの)激変緩和措置は来年4月末まで継続する。その先に向けて議論を適切に進めていきたい」と答弁し、3党協議につながりました。首相は『3党で結論が出たら、それを尊重し、私自身が判断する』としています。

 

 

 これまでにない凍結解除への意気込みを感じ、自民党内でも『首相は本気だ』という声があがっています。ずっと財務省ベッタリの発言が目立っていた首相の “宗旨替え” にも思えますが、そうは簡単にいかないようです」(自民党議員秘書)

 

 22日の衆院予算委員会で、首相が初めてトリガー条項の凍結解除に向けて検討することを述べると、24日には、鈴木俊一財務大臣が『凍結解除には国・地方合計で1.5兆円もの巨額の財源が必要となる』と牽制した。

 

 さらに29日、参院予算委員会で立憲民主党杉尾秀哉議員が鈴木財務相に『トリガー条項凍結解除検討について首相から事前相談があったか』と質問すると、『事前に説明を受けていない』と即答。政府内の足並みの乱れが露呈した。

 

 首相の本気度を悟ったのか、凍結解除に反対する勢力の反撃は激化しそうだ。

 

「税収減につながることですから、省内で結束して反対する財務省はもちろんですが、閣内でも後ろから矢が飛んでくる状況です。

 

 西村康稔経済産業相は『トリガー条項凍結解除で税が下がったとき、ガソリンスタンド事業者から申請しなければいけないという負担が生じる』と発言しました。

 

 内閣支持率がきわめて低いため、財務省をはじめとする抵抗勢力が、反旗を翻しやすい環境になっています」(政治担当記者)

 

 世論も首相の発言に疑心暗鬼だ。ニュースサイトのコメント欄には、

 

《解除のための協議なのか、「検討はしましたが」とアリバイつくりのための協議なのか》

 

《財務省の犬とまで言われた岸田総理が、積極的にトリガー条項撤廃をやるとは思えない》

 

《財務大臣が聞いて無いでは、当てにならん。財務省の体質改善をしなくては無理!》

 

 などのコメントが寄せられていた。

 

 しかし、前出の政治記者は、「ここまで進めて『できませんでした』では、国民は納得しないでしょう。岸田首相も、財務省の言いなりになったことが支持率低下につながったと気づいたようですから、期待できるかもしれません」と一縷の望みを持つ。

 

 首相には気骨を見せてほしいところだ。

( SmartFLASH )

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