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海外で大流行「トコジラミ」被害が日本でも急増 保健所に聞く「発生したらどうする?」薬剤耐性持つタイプも

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.12.07 21:20 最終更新日:2023.12.11 17:11

海外で大流行「トコジラミ」被害が日本でも急増 保健所に聞く「発生したらどうする?」薬剤耐性持つタイプも

トコジラミ(保健所資料より)

 

 海外で問題化しているトコジラミ(南京虫)による被害が、日本でも増えている。東京都福祉保健局によると、相談件数は20年前に比べて10倍以上に跳ね上がっている。

 

 トコジラミは、人が寝ている間、体の露出部(手、足、首、顔)に取りつき吸血する。初めて刺されたときは無症状のことが多く、何度か刺されるうちに体に抗体ができ、アレルギー反応として、激しいかゆみに襲われるようになる。それにより不眠となったり、かきむしった皮膚の傷口から細菌に感染して化膿したりするなど、生活の質が大きく損なわれる恐れがある。

 

 

 大きさは、成虫で5~8mm。扁平な体で、あらゆる隙間に潜り込む。人の生活と密接した、ベッドや布団、ソファ、椅子、カーペット、畳、カーテンなどに生息していることが多い。衣服やカバン、書籍など、身近なものに付着して屋内に持ち込まれ、産卵して大量発生する。

 

 トコジラミに刺されたら、どうすればいいのか? 東京都の保健所職員が解説する。

 

「症状があらわれたら医師にかかり、炎症部分に塗るステロイド剤や、内服用の抗アレルギー剤を処方してもらってください。ただし、根治のためにはトコジラミの駆除が必要です。

 

 駆除のおもな方法は、掃除機での吸引、熱処理、殺虫剤の使用です。掃除機で吸ったゴミは必ず袋に入れ、しっかり封印して捨ててください。被害があった部屋の段ボールはすぐに捨ててください。熱処理は、寝具や衣類を81度以上のお湯に5分以上浸ける、乾燥機を60度以上にして回すなどです。

 

 殺虫剤については、抵抗性をもった『スーパートコジラミ』の発生が報告されているため、有効成分の『プロポクスル』『メトキサジアゾン』『有機リン系』『ブロフラニリド』を含んだものを使用してください。

 

 しかし、大量発生すると個人では対処が困難なので、自治体の相談窓口や、各都道府県にあるぺストコントロール協会に問い合わせてください。

 

 トコジラミを見つけるポイントは、暗い・温かい・狭い場所です。寝室やリビング、身のまわりのものや家電などをチェックしてください。また、血糞と呼ばれる血の混じった糞や、抜け殻も手がかりになります」

 

 宿泊施設で発生すると、事態は深刻さを増す。

 

「最初のうちは、宿泊施設は被害者なのですが、駆除せずにそのまま放置すると、今度は加害者になってしまいます。さらに、風評被害で集客が落ちるなど、その影響は甚大です。海外では、休業や閉鎖に追い込まれた施設があります。日本でも客室や施設の一時閉鎖が見られます。海外からのトコジラミの侵入を止めることは不可能なため、日ごろから従業員の間でトコジラミの知識を深めておく必要があります」(同前)

 

 清潔、不潔に関係なく、あらゆる環境で発生するトコジラミ。わが身を守るため、最低限の知識は持っておこう。

( SmartFLASH )

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