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「白タク」解禁目指す小泉進次郎氏に「無責任な思いつき」批判…「タクシー会社がライドシェア運転手雇用」政府案にも疑問集まる

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.12.13 18:00 最終更新日:2023.12.13 18:07

「白タク」解禁目指す小泉進次郎氏に「無責任な思いつき」批判…「タクシー会社がライドシェア運転手雇用」政府案にも疑問集まる

写真:つのだよしお/アフロ

 

 一般ドライバーが有償で客を運ぶ「ライドシェア」。現在は違法行為である「白タク」導入に積極的な自民党小泉進次郎元環境相ら超党派の勉強会が、12月12日、提言を取りまとめ、政府に申し入れた。

 

タクシー不足が深刻な地域は、自治体の首長の判断で一定要件を満たせば、自家用車と普通免許を持つドライバーが客を輸送できるようになる新制度の創設を求めました。来年中にも関連法の改正をすることも求めています」(政治担当記者)

 

 

 観光地はもちろん、都心部でも早朝や深夜のタクシー不足は深刻だ。高齢化、待遇の悪さに加え、コロナ禍で利用者が大きく減ったことで、多くのドライバーが離職した。そこに、インバウンドによる需要増が直撃したかたちだ。

 

 そのため、提言では、ドライバーの増員を支援するなどタクシー業界への配慮も盛り込んでいるが、ライドシェア導入に慎重なタクシー業界との溝は埋まっていない。

 

「タクシー業界は、ドライバー不足を解決するため募集を活発化させています。タクシードライバーになるには普通2種免許が必要ですが、教習所で取得すると25万円ほど必要です。いまはその費用を全額タクシー会社が負担するのは当たり前。

 

 また、女性ドライバーを増やすため、勤務時間も昼の6時間だけでOKなど柔軟に対応しています。新人は歩合ではなく『固定給』を選ぶこともできます」(タクシードライバー)

 

 タクシー業界としては「ライドシェア」のどこに危機感を持っているのか。

 

「タクシー利用のお客さんが流れてしまう心配もありますが、それよりもお客さんの安全です。普通2種免許を取得するには、運転技術のほかに人工呼吸、心臓マッサージなどの救急救命措置や接客マナーも勉強します。

 

 合格率も40%程度ですから、ハードルは低くありません。会社では勤務前のアルコールチェックの徹底、ドライブレコーダーの映像を使った講習会などがあります。ライドシェアが解禁になったら、安全が担保できるのか不安です」(前出・タクシードライバー)

 

 こうした安全確保のため、政府はライドシェアの運転手について、「タクシー会社による雇用」を条件に認める方針を決めている。 ドライバーは、労働基準法の保護を受けられるなどのメリットはあるが、SNSでは

 

《ライドシェア解禁がタクシー会社に雇用されないとできないクソ制限仕様になってしまった これで副業としてやることが難しくなり、結局やる人も少なくなるね タクシーにどんだけ配慮するんだよアホか。》

 

 といった批判が集まっている。

 

 一方、小泉元環境相らの提言では、雇用契約だけでなく業務委託など多様な働き方を認めるよう求めている。事実上のライドシェア全面解禁につながるだけに、今後もドライバーの資格について議論を呼びそうだ。

 

 議論がまとまりを見せないなか、ネットニュースのコメント欄やSNSでは、小泉氏に対して《無責任な思いつき》といった批判が数多く寄せられている。

 

《小泉家、親父は規制緩和でタクシー台数を増大させタクシー乗務員の労働環境を悪化させた。現在若年乗務員が少ないのはこの親父の思い付き政策のためと考える》

 

《安全性の確保が簡単ではない。事故件数が一気に増えて、便乗強盗などが多発しそうだね》

 

《ライドシェア拡大は今ある安全性を確保できなくる事は確実であり 日本参入を目指す企業を後押しする利権が見え隠れでロクな事にはならない!》

 

 などで、なかには《小泉進次郎がまたいつものように話題に便乗(ライドシェア)している》といった「大喜利」のようなコメントも――社会のコンセンサスを得るには、今後も国民的な議論が必要だが、「移動難民」の増加は待ったなしだ。

( SmartFLASH )

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