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日本維新の会・馬場伸幸代表 政策秘書が半年近く休んで「年収1000万円超」満額受給中
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2023.12.20 14:25 最終更新日:2023.12.20 14:35
2023年9月、大阪府高槻市の市議が、日本維新の会所属の国会議員の公設秘書に就いていたことを毎日新聞が報じ、地方議員としても公設秘書としても給料を得ている、いわゆる“税金の二重取り”が問題となった。
公設秘書の兼職は法律で禁じられているものの、国会議員に裁量権が与えられており、議員が認めれば兼職が可能となる。実際、その後の「毎日新聞」の調べで、じつに250人の公設秘書が、民間企業などと兼職していることが明らかになった。
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ほかの本業のかたわらで務まるほど、公設秘書は暇なのかという問題だが、そもそも公設秘書は、休んでいても国から給料が支払われる身分である。
その一端が、日本維新の会の代表、馬場伸幸衆議院議員(58)の政策担当秘書・A氏について見て取れる。維新の会の関係者がこう明かす。
「A氏は国会議員会館付きですが、2023年1月から姿を見かけなくなりました。その後、体調を崩して休んでいると聞きましたが、結局、半年近く休んだようです。7月以降も、週に何日か議員会館に出てくるだけで、現在も本格復帰しておらず、すでに1年が過ぎようとしています」
国会議員には、公設第一秘書、公設第二秘書、政策担当秘書の3名が公設秘書として認められている。公設秘書の身分は国家公務員の特別職だが、文字どおり“特別”だ。
公設秘書の任免権は議員にあり、特別職は労働基準法の適用外のため、滅私奉公で仕事に明け暮れている公設秘書がいる一方で、議員が認めれば、どれだけ長期間休んでも給料は支払われるのだ。
給料も高い。政策担当秘書の場合、勤続25年以上かつ49歳以上になれば給料は月額63万9240円となり、年2回の期末・勤勉手当(いわゆるボーナス)、2万7000円を上限とした住宅手当に、定額3万円の通勤手当てが支給されている。ベテラン秘書ともなれば、年収は1000万円を超え、退職金もある(2016年1月適用ぶん。今臨時国会で国会議員秘書給与法は一部改正)。
「このA氏は馬場代表と同年代で、もともと別の代議士の秘書を務めていましたが、馬場代表が2012年に初当選したときに、秘書に就いたと聞いています。A氏は秘書歴が長く、衆議院秘書協議会の日本維新の会の会長を務め、日本維新の会の秘書会のトップでもある大物です」(前出・維新の会関係者)
日本維新の会の秘書会は、衆参合わせて61人に上る所属議員の国会議員会館付き秘書から毎月1000円を徴収し、秘書懇談会を年に1回開いている。
懇談会はコロナ禍で中止されていたが、2023年8月2日に、マリーグラン赤坂(宴会場)で久々の懇談会が開かれ、直前まで体調を崩していたはずのA氏も秘書会のトップとして参加したという。
馬場代表にA氏の処遇について聞くと、以下のとおり回答した。
「Aは2012年12月に就任しました。数カ月、療養のために病院や自宅におりましたが、プライバシーにかかわるため詳細はお答えできません。現在は週に数日勤務とテレワークをおこなっており、給料は受け取っています。
秘書協議会の代表は、2023年8月に代表代行を置いて引き継ぎをおこなっており、12月中に交代予定です。Aは、長年、休日返上や昼夜を問わず、今まで私のために働いていただいている方です。体調により現場を離れることはあり得ることだと思います」
前出の維新の会関係者は、こう言ってため息をつく。
「国会議員会館付きの公設秘書は議員会館に出なければ仕事にならず、テレワークをしている公設秘書なんて聞いたことがありません。まわりは皆、おかしいと思っていますが、A氏はベテランの大物秘書であり、誰も表立って言えないのです」
日本維新の会は「身を切る改革」を掲げ、国会議員の歳費や期末手当の2割削減、国家公務員の総人件費2割削減を主張している。その馬場代表の公設秘書が半年近く休み、その後現在まで休みがちでありながら、満額の給料を貰っているのは問題だろう。
取材/文・坂田拓也
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