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能登地震で緊急調査「47都道府県地震回数データ」過去10年の「地震空白県」は香川と奈良、富山「震度5強」は観測史上初
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.01.03 15:52 最終更新日:2024.01.05 13:43
1月1日、石川県の能登地方を震源とする最大震度7の地震が発生。多数の犠牲者が出る大惨事となっている。この地震では、遠く離れた東京や、東北の秋田、四国などでも震度3を記録。正月早々、地震の恐ろしさを見せつけている。
そこで本誌では、近年どれだけの地震が日本で起きているのかを調査。気象庁の震度データベースを用い、2014年から2023年の10年間(2014年1月1日~2023年12月31日)での回数を都道府県別に調べた。
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なお、1月1日以降の地震については、1月3日時点でまだこのデータベースに反映されていないため、含まれていない。
まずは石川県。過去10年で震度1以上は662回で、さほど多くはないが、じつは2021年以降、急増している。2020年までは30回以下だったが、2021年89回、2022年202回、2023年はなんと248回。そのほとんどが、今回の地震と同じく、能登半島付近を震源とするものだった。
その隣の富山県。地震124回は47都道府県で最少。震度3以上も、三重県の8回に次いで少ない11回となっている。だが、今回の地震では震度5強を記録。富山県内での震度5強以上は、観測史上初めてのことだった。震度5弱は、1930年以の「大聖寺地震」(当時の階級は震度5。震源は石川県西方沖)、2007年の能登半島地震の2回。日本で、もっとも地震が少ない「地震空白県」として有名だった富山県だが、今後は変わってくるかもしれない。
岐阜県は富山と同じく、過去10年で震度5弱以上が0回だったが、今回の地震で高山市や飛騨市で震度5弱を記録している。
2023年までの10年間で震度5弱以上が0回だったのは、富山、岐阜を含め6県だが、今回の地震をカウントすれば、残るは静岡、愛知、三重、香川の4県となった。
ただし、静岡、愛知、三重の3県は、今後30年以内に70~80%の確率で発生するとされる「南海トラフ巨大地震」が起きれば、大きな被害を受けることは確実で、そういう意味では、香川こそが「地震空白県」といえるかもしれない。
また、奈良県は震度3以上が11回で、富山と並んで2番めに少なく、震度5弱以上も1回のみ(2018年の大阪北部を震源とする地震)。奈良も香川に並ぶ「地震空白県」としていいかもしれない。
東京では震度5以上を7回計測しているが、そのうち5回は三宅島や小笠原など島しょ部のもの。残る2回は、2015年9月12日の東京湾を震源とする震度5弱の地震と、2021年10月7日の千葉県北西部を震源とする地震によるものだ。
東日本の太平洋側で回数が多いのは、2011年の「東日本大震災」の影響によるもの。ただし、回数は年々減少している。
熊本県は、4758回の地震のうち、3812回が2016年のもの。2022年は65回、2023年は58回と、確実に減少している。
鹿児島県では、2022年の173回から2023年は660回と急増している。これはおもに、トカラ列島近海の地震が相次いでいるためだ。
「地震列島」とも呼ばれるこの日本。突然、襲いかかる災害に、備えはしておきたい。
( SmartFLASH )