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粗品も言及「食べ残した中学生に一発芸」で炎上の油そば店主が「本当に伝えたかったこと」本誌の直撃に激白
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.03.30 11:00 最終更新日:2024.03.30 19:11
麺のあとにスープに浸すなどして食べる「追い飯」を食べ残した中学生の客に、お店のルールとして明記している“一発芸”をさせて、SNSに動画を公開(現在は削除済み)した人気油そば店の店主が、大炎上している。
このお店は、「まずかったら全額返金」をうたっている、東京・池袋の「油そば鈴の木」。小さな丸いレンズのサングラスをかけた店主「りゅう社長」は『令和の虎』にも出演したクセ強店主。人気インフルエンサーとの交流もあり、TikTokなどSNSを使った集客に力を入れている店舗だ。
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「ある日、同店を訪れた男子中学生が、油そば後の『追い飯』を残してしまったことで、りゅう社長は、食べ残しの際のお店のルールである“一発芸”を彼に求めました。中学生は『おいしかったですけど。すいませんでした』と謝ったものの、りゅう社長は動画を回しながら『一発芸して、早く。そんな甘くないから』『お前、名前なんて言うの? 〇〇? 〇〇がんばれ!』などとあおり、中学生は顔を引きつらせながら、頭に丼を載せる一発芸を披露。りゅう社長は『面白くはないけど、まあいいよ』と許し、その動画をSNSで公開したのです」(週刊誌記者)
しかし、この動画をりゅう社長がアップしたことに、ネット上で批判が殺到。お店のルールとはいえ、相手が中学生であったこともあり、さすがにやり過ぎだと炎上した。
これに対し、りゅう社長は3月18日に自身のXで反論動画を公開。その内容が、さらに火に油を注ぐ形となっている。
トレードマークのサングラス姿で登場したりゅう社長は動画冒頭、こう切り出した。
「今回の炎上の件について、お話したいことがあります。まず結論から申しますと、今回の炎上の件について、僕はいっさい悪いと思っておりません。これは、自信持って言えます。いっさい悪いと思っておりません、はい」
ポケットに手を突っ込みながら、そう語ると、現在は動画を削除していることに関して、中学生本人と、その親御さんから「お店でご迷惑をおかけしました」と謝罪があったため、消したと説明。さらに、ネット上で(中学生の)肖像権の侵害などと指摘されたことについては、自身の顧問弁護士に確認済みとして「未成年でも(ルールに)同意して購入している以上、肖像権の侵害には当たらないという結論、出てます」と主張し、ネットで騒いでる人たちを「お前ら、バカみたいだぞ」と“口撃”した。
なおも、りゅう社長は、
「成人だろうが、未成年だろうが、お店のルールを実行しただけで、なんでこんな炎上したのか俺にはわからない。なんでこんなことで騒ぐの? お前ら。ほかに楽しいことないの?」
「本人だってわかって購入してるから。それであんなに(追い飯を)盛っちゃって、あんだけ残されたら、これはお店のルール実行するってだけよ。だから、かわいそうとか思うこと自体、俺にはわからない」
などと続け、かりにコワモテの人が相手でも同じことをすると主張。ネットで他人を批判したり騒いだりしている人たちをひとしきり批判すると、「いまの日本人よ、よく聞け。こんなことだからな? こんなことで騒ぐな。わかったか? いいか、お前ら。つまんねー大人になるな」と言い放つと、2024年4月に予定されている、自身も参加する栃木でのラーメンフェスを宣伝。文句がある人は、そこに直接、言いに来いと動画を締めた。
この、りゅう社長の反論動画は、3月29日21時の時点で535万回を超えるインプレッションを記録するなど、大きな反響を呼んでいるが、コメント欄には、
《これ本当に、まじで、許しちゃだめだよ。親御さんが謝ったから消したってくそみたいな論理を通してはいけない。動画が人質みたいなもので、違法行為を「している側」が優位にたってる。が故に、親御さんが謝罪をせざる得ないという状況が異常。絶対に許すべきではない。ふざけんなって話》
《削除したところでどこかに残ってるだろうに。可哀想に》
《残してします人に食べ物を粗末したら駄目だと言う事は素晴らしい事だと思う。しかし、お客様に楽しい一発芸を求めるのは面白いと思うけどフリが最悪なのよ あなたのフリの技術が無いのに客にパフォーマンスを求めてはダメですね。そして少年は一生のデジタルタトゥーを刻まれた…》
などと、批判の声が殺到。お笑いコンビ・霜降り明星の粗品は、3月25日、自身のYouTubeチャンネルを更新。恒例企画となりつつある「最近のSNSニュース斬った【1人賛否】」のなかで、この騒動を取り上げるほど注目される事態となった。
そこで3月27日、本誌記者が同店を訪れてみると、残念ながらりゅう社長の姿は見えず。しかし、お昼どきということもあってか、お店の外にはすでに行列ができていた。
記者は油そばを食べたあと、追い飯(100円)を購入。すると、たしかに、食券ボタンのところに赤字で「※残した場合、一発芸をしてもらいます。動画撮影をしてSNSで配信します」との説明書きが記されているほか、追い飯を盛る炊飯器の後ろの壁にも、同様の注意書きがある。追い飯を購入すると、茶碗を手渡され、セルフサービスで好きな量を盛る形なので、量の調整は自分のさじ加減。中学生は、調子に乗って盛りすぎてしまったのだろう。
たしかに、りゅう社長の「本人だってわかって購入してる」「お店のルールを実行しただけ」はそのとおりだ。しかし、反論動画が炎上してしまっているのも事実だ。そこに関しては、どう思っているのだろうか?
3月28日、店主の鈴木遼央氏に話を聞くことができた。すると、鈴木氏は驚くほど丁寧な口調で、ことの経緯と、真意を語ってくれた。
「まず、うちの店舗は1日300人から400人お客様が来るなかで、若いお客様が非常に多いんですけど、以前から中学生など若いお客様の食べ残しや、なかなか食べきれずに騒ぎながら長居するお客様がかなり多くて、悩まされていたんです。それで、去年(2023年)の秋ぐらいから、『追い飯を残したら一発芸』というルールをつくったんですよね。
今回の炎上の件に関しては、僕自身は炎上覚悟で、炎上するとわかったうえで、あの動画をつくったんです。『りゅう社長』というのは、僕がつくったキャラクターなのですが、あえて、りゅう社長がバッシングや批判を浴びるように、未成年のコにあえて強く言うことによって、見る大人たちは不快な思いをする。それが炎上して再生が回れば、世に拡散されますよね。拡散されることによって、未成年のフードロス問題とか、未成年のコたちが『食材を無駄にすると、大人はこうして怒るんだ』ということが伝わるように意図してつくったのが、あの動画ということです」
さらに、鈴木氏は続ける。
「動画だけを観て、いろんな批判をする方もいらっしゃいますけど、僕から言わせてもらえれば、動画だけで判断する、コメントを残すっていうのは、ちょっと浅はかというか。僕が中学生への一発芸を強要しているという声もあるようですが、彼にも、最初に、こういう内容の動画を撮るよ、と細かく説明したうえで撮っているんです。それ以外の動画で出していないやり取りも、当然、ありますし。だから、動画の背景にどんなものがあるのか、深く考えていただけるような人たちが、今後、増えてくれればいいなとは思っています。
あらためて言うと、今回の動画は確信犯的に炎上を狙って、立場の弱い飲食業界の店主が、いままで言いたかったことを、まとめて『りゅう社長』として言ったという感じですかね。そのなかで本当に伝えたかったことは、未成年であろうと、食材ロスはダメだよ、ということですよね。世界的にフードロスが問題視されているなかで、未成年なら残してもいいのかっていう」
ちなみに、実家が焼肉店でもある粗品は、この騒動についてYouTubeのなかで「客に残された残飯は捨てるしかない」と、残される側の苦悩を語っていた。あくまで、フードロスを避けるべく「お店のルールを実行しただけ」だったりゅう社長だが、キャラクターのクセの強さもあってか、その真意が少し伝わりにくかっただけなのかもしれない。
( SmartFLASH )