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体長1メートルのピットブルに咬まれて4人ケガ…自治体は「危険犬種」の飼い主にどんな指導をしているのか
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.04.08 17:16 最終更新日:2024.04.08 17:20
4月7日午後2時ころ、栃木県栃木市の路上で20代から50代の男女4人が犬に咬まれ、腕などにケガを負う事故が発生した。
「女性が愛犬のポメラニアンを散歩させていたところ、住宅から逃げ出した体長1メートルほどのピットブル系雑種犬が襲いかかったそうです。
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愛犬を助けようとした女性が腕に、助けようとした男女3人も腕や手を咬まれました。雑種犬は住宅から逃げ出していて、飼い主は行方を探していたといいます」(事件担当記者)
また、2月7日には群馬県伊勢崎市で小学生9人を含む12人が、住宅から逃げ出した四国犬に咬まれてケガをしている。しかも飼い主は、飼育している7頭の四国犬に、法律で義務づけられている狂犬病の予防接種を受けさせていなかった。
残念ながら、犬の咬傷事故は後を絶たない。環境省の「動物愛護管理行政事務提要(令和5年度版)」によると、2022年度の犬による咬傷事故は年間4923件、そのうち公共の場での発生は3019件になるという。
こうしたなか佐賀県、茨城県、札幌市などが条例で、人に危害を加える恐れのある犬や咬傷事故を起こした際に重大な事故になる可能性が高い犬種を「特定犬」として定め、飼育方法などに遵守事項を課している。
2016年に施行した札幌市では、「人の生命等を侵害するおそれが高い犬」として秋田犬、土佐犬、セント・バーナード、ドーベルマンなど20種弱が指定されており、
・囲いの中で飼養する場合は、鉄や金網など堅固な材料で造られたもので、出入口の戸に錠を設ける
・綱、鎖などでつないで飼養する場合は、飼い主以外の者が容易に近づけないようにする
・見やすい場所に、特定犬を飼養している旨を表示する
などが指示されている。茨城県では、紀州犬やジャーマン・シェパードなど8犬種を指定、ほかにも体高(地上から肩の高さ)60センチかつ体長(肩から尾の付け根)70センチ以上の大型犬が加わる。今回、咬傷事故を起こしたピットブルは、札幌市でも茨城県でも「特定犬」に指定されている。
ある担当者は「特定犬といっても、特別な手続きや届出などは必要ありません。狂犬病予防接種のときに犬種を書いていただくので、そこで特定犬とわかれば注意を促します。ただ、ご近所から苦情などがあった場合は、訪問して飼育状況や設備などを見せていただくことはあります」と言う。
「うちの犬に限って……」という過信は禁物だ。
( SmartFLASH )