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「11月にも真夏日」「気温35度で出社禁止に」記録的猛暑“地球沸騰化”で専門家が警告…「サケや貝が獲れない」「コメが不作」の可能性も

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.07.10 15:16 最終更新日:2024.07.10 15:16

「11月にも真夏日」「気温35度で出社禁止に」記録的猛暑“地球沸騰化”で専門家が警告…「サケや貝が獲れない」「コメが不作」の可能性も

7月に入ってから関東各地で猛暑日が多発している(写真・アフロ)

 

「もう耐えられない……」という悲鳴が日本中から聞こえてくる──。

 

 2024年7月、まだ梅雨も明けきらないのに、連日、“酷暑”が続いている。7月7日には静岡市で40.0度を記録。翌8日には和歌山・新宮市で39.6度、東京・府中市で39.2度と、いずれも統計を取り始めてから最も高い気温となった。

 

「猛暑の本番はこれからですよ」

 

 こう“絶望的な予言”をするのは、三重大学気象・気候ダイナミクス研究室の立花義裕教授だ。今後の展望とともに異常な暑さの原因を解説する。

 

「7、8、9月と猛暑は続きます。去年も暑かったが、今年は去年以上になる条件が揃っている。40度超えは当たり前になるでしょう。

 

 猛暑の原因の一つとして挙げられるのが偏西風の蛇行。西の中国大陸から東へと吹いていくのが偏西風です。北極の寒気と熱帯の暖気の間を通るので、その南側は暖かく、北側が寒くなる傾向があります。これまでは真っすぐ吹いていた偏西風ですが、近年は温暖化の影響で暖気が北へせり出してルートが極端に北側へ蛇行し、その分、暖気に包まれる範囲が大きくなって全国的に気温が上がりやすくなっています」(以下「」内の発言は立花教授)

 

 

 猛暑の原因は、偏西風の蛇行だけではない。日本近海を流れる「黒潮の蛇行」も気温上昇の一因となるという。

 

「暖流である黒潮はフィリピン周辺から北上し、紀伊半島あたりで南へ大きくせり出す“蛇行ルート”を辿ることがあります。問題なのは、蛇行した黒潮が東海から関東沖を流れ、東北北部まで北上している点です。結果、広範囲で温暖化が起こっています。これほどウネウネと蛇行することは今までありませんでした。紀伊半島での蛇行と合わせ、いわば“スーパージャイアント黒潮蛇行”と呼べる現象が起きているのです。蛇行する原因は、黒潮の水流の速度が遅いからです。要するに南からやってきた温かい海水が、ゆらゆらと日本近海を流れているという状態です。

 

 また現在、地球全体で海面の水温が史上最高になっていますが、特に日本の近海は、世界でいちばん上昇率が高いんですよ。今年は梅雨入りが遅れたことで海水温が暖められ、今の日本の南半分は海水温が真夏並みの25度前後。平年より3~4度高い状態です。そして日本海側の海水温も上昇しているので、日本列島は北と南から海水温上昇のサンドイッチになっているような状態です」

 

 そして最悪なことに、立花教授によると猛暑は秋になっても終わらないという。

 

「いわゆる残暑が相当厳しくなる。秋になって太陽のパワーが落ちて来ても海水温が高いままなので気温も下がらない。10月でも真夏日になる日があるでしょう。35度超の猛暑日があってもおかしくない。複数の要因が重なれば、11月にも真夏日があるかもしれない。実際に昨年は熊本で11月に真夏日がありました」

 

 酷暑の影響は計りしれない。食卓の様子もがらりと変わる可能性がある。

 

「漁業への影響は甚大です。すでにサンマの不漁は知られていますが、サケも獲れなくなるでしょう。暑くなると磯焼けが起こるので、昆布や海苔、そしてそれを食べるウニやアワビといった貝類もいなくなります。陸では、コメが暑すぎて不作になります。実際、新潟のコメは、昨年の猛暑で壊滅的な打撃を受けました」

 

 何より甚大なのは人間生活への影響だ。

 

熱中症が恐ろしい。すでに毎年1000人以上の方が熱中症で亡くなっています。この暑さは、“たまたま今年だけ”のものではありません。地球温暖化の影響で、異常気象そのものが『ニューノーマル』になる可能性があります。今後は、気温が35度を超えた場合、出社も工事もスポーツも原則禁止にしたほうがいい」

 

 近年の異常な温暖化に対して、国連事務総長のグテーレスは、もはや「地球沸騰化」だと発言。今後、春と秋が消えて「二季」が当たり前になるというが、もはや日本から四季は失われていくのだろうか……。

( SmartFLASH )

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