8月9日、長崎市が開催する平和記念式典に、少なくとも6カ国の駐日大使が欠席する意向を示していることに、様々な声が寄せられている。
「広島市は6日の式典にイスラエルを招待しましたが、長崎市は現在、パレスチナ自治区ガザを攻撃するイスラエルを招待しないことを判断しました。この対応に不満を示したアメリカ、イギリス、フランス、イタリア、オーストラリア、カナダの6カ国の駐日大使が一斉に欠席する意向を示しているのです。
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鈴木史朗長崎市長は、今回の決定について、『あくまでも政治的な理由ではなく、平穏かつ厳粛な雰囲気の下で円滑に式典を実施したいという中で、不測の事態の発生のリスクなどを総合的に勘案し、判断した』とコメントしています。日本政府や外務省などと相談しての判断ではなく、あくまでも長崎市としての判断と語っています。
ただ、7月19日には、日本を除くG7の主要7か国とEU(ヨーロッパ連合)の駐日大使が連名で、長崎市長に対して『式典にイスラエルを招かないことはロシアなどと同列に扱うようなものだ』として、招待するよう呼びかけていました。
長崎市の判断によって、結果的に、原爆を投下した当事国である米国の大使が来ないという異例の事態となったことで、X上では賛否が巻き起こっています」(政治記者)
各国の相次ぐ出席拒否に対して、X上のコメントを観てみると、
《全く問題ありません。長崎市を全面的に支持します。被災地が批判される筋合いなど全くない。特にアメリカから》
《むしろ欧米諸国がイスラエル擁護に回っていることの方が問題だ。特に米国の欠席は原爆投下への無反省を物語る》
《長崎市が平和祈念式典に招待したのにG7各国やEU大使たちが欠席するのは長崎市の責任ではない。相手の判断なので長崎市に何も非はない。原爆を投下した当事国の態度が一番非礼ではあると思う。毅然としていたら良い》
と、長崎市の対応を評価するコメントが目立つ。
「一方では、戦争当事国やG7が参加しない平和祈念式典に意味はあるのか、といった疑問の声も多く寄せられており、長崎市は非常に難しい立場に立たされています。
背景にあるのは、日本とイスラエルの心理的な距離感でしょう。日本では、『イスラエルによるガザへの軍事侵攻は、やりすぎだ』という意見はごく普通に飛び交っています。一方で、欧米諸国としては、パレスチナにおける“人道危機”に懸念を示すことはできても、表立ってイスラエルを否定することが難しく、特にイスラエルをウクライナ侵攻におけるロシアと同列に扱うような事態に対し、非常に神経を尖らせているのでしょう。
長崎市は何度も、イスラエルを招待しない理由を“政治的な理由ではない”と語っていますが、欧米諸国としては敏感にならざるを得ないのでしょうね」(政治部記者)
出席しなくても、“平和への祈り”を理解していると信じたいが……。
( SmartFLASH )