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【兵庫県知事選】「父親と喧嘩した」「高齢者は真実を知らない」斎藤元彦元知事の支持と“アンチ”で深刻分断…県民の本音と根強い怪情報
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.11.16 19:50 最終更新日:2024.11.16 21:10
兵庫県が揺れている――。
11月17日に投開票が迫った兵庫県知事選挙。複数の候補者が乱立する中、情勢調査によれば、斎藤元彦前知事と国民民主党や立憲民主党から推薦を受けている前尼崎市長の稲村和美氏の一騎打ちという様相を呈しているようだ。
「そもそもの経緯としては、今年の春に告発文書を作成した元局長が亡くなったことをきっかけに、斎藤前知事の“パワハラ疑惑”や“おねだり疑惑”が次々と報じられるようになりました。そして県議会が全会一致で不信任決議案を可決し、斎藤前知事は9月30日に失職しました。
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今回の選挙は斎藤前知事にとって出直し選挙となりますね。事前の予想では稲村候補が圧勝する見込みでした。意外なことに斎藤前知事が猛追。今、まさに兵庫県は真っ二つに分かれています」(県政担当記者)
実際、有権者である兵庫県民を取材すると、斎藤前知事支持派と“アンチ”でまるで米国大統領選のように“分断”が起きているという。伊丹市で暮らす49歳の女性はこう語る。
「私は斎藤さんを支持してます。報道が出た当初早く辞めたらいいのにと思ったけど、その後逃げたり言い訳もせずに百条委員会にも出ていますから。私の周りもみんな支持です。
斎藤さんは人の悪口は絶対言わないでしょ。稲村候補は悪口言うてるから嫌なんです。父が稲村派やから、この前喧嘩しちゃいました。父は報道しか知らんから『あんなもんあかん』って。だけど、改革したくない県職員とか利権とか色々あって悪者にされているんでしょ。
実際、斎藤さんは公約達成率が半端ない。『はばたんPay』とか自転車用ヘルメットのお金補助とか生活に密着した事をしている。県立高校にエアコン入れたり部活の用具もケアしてますよ。稲村さんは県庁舎を1000億かけて建て替えを推進していると聞いたし、具体案がわからんから」
と語る。なお、稲村候補は県庁舎を1000億かけて建て替えるといった方針は示していないが、こうした真偽不明の情報が有権者の間では複数流れているようだ。50歳の会社経営者はこう語る。
「僕も斎藤さんを支持していますよ。僕が聞いたのは、利権争いの末に斎藤さんが“ハメられた”という話。それに、県職員OBの天下りを規制したから、それで恨みを買っているんでしょう。経営者はみんな斎藤さんを支持しているし、稲尾さんを支持しているのはメディアの報道を鵜呑みにする高齢者だけですよ」
一方、稲尾氏を支持する市民も当然多い。
「一連の報道を見て、斎藤前知事は“悪魔”だと思ったよ。人が亡くなっているのに謝りもしないんだから。ただ、情報が錯綜しすぎて、どれが本当なのかわからないところもある。少なくとも20年間知事を務めた井戸敏三前知事のやり方に慣れた職員から反発があったのは間違いないでしょう。でも、パワハラは許してはいけない。自治体の市長が一斉に稲村さんの支持を表明したのも、彼が危険な人物だからでしょう」(40歳・鍼灸師)
いずれにせよ、どちらの候補者を支持する人物も口を揃えるのは県内が“真っ二つ”に別れているということだ。
「一連の“パワハラ疑惑”や“おねだり疑惑”で斎藤前知事が叩かれすぎた、という反動もあるのでしょう。とくに斎藤前知事を支持する側からは真偽不明の情報が複数出ていて、斎藤前知事もそれを利用している気配があります。
ただ、『人口の少ない田舎町にまでやってきて、目を合わせて握手してくれた』など、斎藤前知事の“どぶ板営業”が効果を発揮している様子もあります。確かに、会えば爽やかな雰囲気で好きになる人も多いでしょうからね。
兵庫県はこれまで長い間、知事が副知事を後継者として指名して、交代するという体制が続いてきました。県政への不信感が高まっていたのは間違いないんです。そこに登場したのが“改革者”である斎藤前知事ですから、一連の報道がまるで反対勢力によるものだという“陰謀論”が流行るのもわかります。ここまで分断が生まれてしまうと、選挙でどちらが勝つにせよ、深い溝が生まれてしまったままになるかもしれません」(県政担当記者)
真偽不明の陰謀論を活用したトランプ大統領は実際に勝利を収めたわけだが、果たして兵庫では……。
( SmartFLASH )