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「103万円の壁」問題で足踏みの国民民主、指摘される「典型的な能吏」古川代表代行の“交渉能力”不足

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2024.12.26 15:15 最終更新日:2024.12.26 18:16

「103万円の壁」問題で足踏みの国民民主、指摘される「典型的な能吏」古川代表代行の“交渉能力”不足

古川元久代表代行(写真・時事通信)

 

 2024年の衆院選で躍進した国民民主党が、肝いり政策だったはずの「103万円の壁」問題で、思わぬ足踏み状態に陥っている。大手紙の政治部記者がこう明かす。

 

「壁の引き上げをめぐる自民・公明・国民民主での協議は、国民側が公約にしていた178万円を求めたのに対し、自民側が提案したのは123万円でした。12月17日の協議では、自民側から新たな提案がなかったとして、国民の古川元久税制調査会長らが『打ち切り』を告げて退出。20日の自公国の幹事長会議で、12月24日に協議を再開することを確認しています。ところが、前日に協議を延期することが決まりました。理由は、自民党の宮沢洋一税調会長の日程調整がつかないからということです。

 

 宮沢税調会長は、かつて“インナー”と呼ばれ、税制に関してはほぼ全権を握ってきた自民税調の権威を、いまも体現する存在です。しかし、幹事長会談で決まった日程が、ほかの幹部の都合でひっくり返されるというのは異例の事態です」

 

 

 こうした国民民主党の停滞をよそに、他党は自公と対立しつつも、“実利”を得ている。

 

「国民民主党からすれば、与党が過半数割れなので、補正予算案を人質にできれば簡単に非課税枠の増額を勝ち取れる、という腹づもりだったんでしょう。ところが、与党からは雀の涙程度の増額しか提案されず、一方で立憲民主党と日本維新の会は、能登半島地震の復興費用の積み増しを自公与党に飲ませました。自民のベテラン議員は、『結果的に、国民民主は餌もついていない針に釣られた』と笑っていました」(同前)

 

 いったい、国民民主党内部で何が起きているのか。本誌が報じた女性問題で、玉木雄一郎代表は現在、3カ月の役職停止中。3月には「自動的に復帰する見込み」(同党関係者)だが、その間は、古川税調会長が代表業務を代行している。

 

「古川さんは20歳で司法試験に合格した秀才で、1988年に大蔵省(現・財務省)に入省し、1994年に退官。1996年、旧民主党の結党に参加しました。当時は『優秀すぎる』ということで、自民党と争奪戦になっていました。選挙にも強く、連続10回当選の大物議員です。“スペック”だけなら最強の議員なのですが、党の代表を担う“実務能力”には疑問符がつきます」(旧民主党議員)

 

 自公との“協議打ち切り”で、その弱点があらわになったという。

 

「古川さんは、上から言われたことは確実にこなす一方、独自の政策がない典型的な能吏タイプなんですよ。さらに、交渉能力が高いとも決していえません。そもそも、今回の“打ち切り”は玉木さんの指示だという話ですが、玉木さんは厳密にその場の雰囲気を知っていたわけではありません。一部メディアによると、古川さんが退室しなければ、宮沢税調会長から新たな提案があったという情報もあります。国民民主党として“実利”を得るためにも、もう少し交渉のやり方がなかったのか、疑問です。実際、このままだと、3党協議は国民側が決裂させた、という大義名分を自民側に与えたも同然の状態です。玉木さんが戻ってくるまで、進展はないでしょうね」(同前)

 

 先の選挙で大躍進を遂げた国民民主党だが、このままでは国民の期待を裏切ることになるかもしれない。

( SmartFLASH )

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