社会・政治
「トランプと渡り合えるのは俺…」茂木敏充氏、議員65人の勉強会開催で囁かれる“ポスト石破”への意欲
2024年9月27日に投開票された自民党総裁選は、9人の候補者が名乗りを上げる大激戦となった。当時幹事長だった茂木敏充氏も候補者のひとりになったが石破茂氏、高市早苗氏、小泉進次郎氏などとくらべ「知名度が低かった」(自民党議員秘書)こともあり、6位という結果に終わった。
「茂木氏は開票後に『やり残したことはない』と語りましたが、総裁選の椅子を狙う意気込みは強かったので『6位』という順位に落胆は隠せませんでした」(政治担当記者)
茂木氏の「政策通」は永田町でもよく知られるところ。これまで外務大臣、経済再生担当大臣、経済産業大臣、党政務調査会長など要職を歴任、「不仲」と噂された岸田文雄前首相も頼っていた。
その反面、「傲慢」という評価もあり、必ずしも党内人気は高くなかったのだが……。
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その茂木氏が、「捲土重来」を期して再始動を始めたのだろうか、1月29日に国会内で勉強会を開いた。主なテーマは「トランプ政権と日本の関係構築」。経済アナリストのジョセフ・クラフト氏を講師に招き、衆参合わせて65人の議員が集まった。
旧茂木派以外からは高市早苗氏、萩生田光一氏、野田聖子氏などが出席。会場は熱気にあふれていたという。
「実は第1期目のトランプ政権で経済再生担当相と外相だった茂木氏は貿易交渉を担い、トランプ氏から『タフネゴシエーター(手強い交渉相手)』と言われました。そうしたことから茂木氏には、『トランプ氏と渡り合えるのは俺だ』という強烈な自負があるようです」(前出政治担当記者)
永田町では「苦戦が予想される今夏の参院選後に『起きるかもしれない政局』を見据えて地固めを始めた」(前出・自民党議員秘書)という声もある。というのも、夏の参院選で自民党が大敗した場合には、自民党の石破茂総裁の交代論が起こると予想され、総裁選が見えてくるというのだ。
しかし政治アナリストの伊藤惇夫氏は「今回は、石破首相や今の処遇に対して不満がある議員が、それぞれの思惑を持って集まっただけです。大きな塊にはなりません」と、その影響力は小さいとみている。
「茂木氏も(総裁を)あきらめてはいないと思いますが、仮に参院選で負けて『石破責任論』が出たとしても、(今夏に)衆参ダブル選挙でもして自民党が勝たない限り少数与党であることに変わりはありません。石破首相が連立政権に動くことも考えられますから、今すぐに動くことはないでしょう」(伊藤氏)
総裁選後、記者団に「また明日から頑張っていきたい」と語った茂木氏だが、「ポスト石破」の戦略は描けているのだろうか。