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鈴木宗男氏を自民党が「参院選擁立」報道 現職幹事長との深い“縁”、娘への“厚遇”で“毒”は封印か
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鈴木宗男氏
2025年7月に任期満了を迎える鈴木宗男参院議員(無所属)が、「7月の参院選で、古巣の自民党から比例代表で出馬するのではないか」という情報が永田町をにぎわせている。
「2月22日、前北海道知事で自民党の高橋はるみ参院議員が『(鈴木氏が)参院選で、自民党全国比例から出馬する可能性があると聞いている』と記者団に話したことを、2月23日に在道のマスコミが一斉に報じました。
鈴木氏は、表向きは『まったく聞いていない』としていましたが、出馬へ向けて自民党が調整していることは間違いないようで、鈴木氏本人も周囲に“前向き”であることを伝えています」(ベテラン自民党職員)
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鈴木氏は2024年10月の衆院選で、北海道選挙区から出馬した自民党候補を応援している。そこには、選挙実務を仕切る森山裕自民党幹事長との深い“縁”があった。
「森山氏は鹿児島県議を経て、1998年の参院選に立候補しましたが、初めての国政選挙ということで苦戦が予想されていました。そのとき、鹿児島まで頻繁に応援に出向いたのが、北海道沖縄開発庁長官も歴任した、鈴木氏だったのです。
森山氏はこのときの恩をずっと忘れず、2025年夏の参院選で主要政党の支援がない、鈴木氏を迎え入れるため奔走しているのです」(同前)
鈴木氏は、北海道内では変わらぬ人気を誇る。自民党としても鈴木氏を「公認」とすることで、得票数が増えるというメリットもあるのだが、過去の独断行動などから、党内には「爆弾を抱え込む」と危惧する声もある。
「鈴木氏は2002年、北方領土の支援をめぐる疑惑などで、自民党を離党しています。2010年には受託収賄などの罪で実刑が確定、衆院議員を失職となり収監されました。
公民権が復活した後の2019年、参院選比例代表に日本維新の会から出馬して国政復帰しましたが、2023年、事前届け出をせずにロシアを訪問。このことで党から除名処分を出され、鈴木氏は自ら離党しました。こうした経緯もあり、自民党内では『また問題を起こすのではないか』と心配されているのです」(政治担当記者)
一方で、楽観論もある。
「鈴木氏の長女で衆院議員の貴子さんは、旧民主党から立候補して自民党候補と戦ったこともありますが、旧民主党が共産党と“共闘”することに反対、離党して2017年に自民党会派に入りました。
彼女は、選挙は比例代表で勝ち上がり当選を重ねましたが、2024年秋の衆院選で初めて、小選挙区で自民党公認になっています。さらには、外務副大臣や青年局長に登用されるなど、自民党の“厚遇”を得ています。そのことに恩義を感じている宗男さんですから、無茶はしないのではないでしょうか」(自民党議員秘書)
“毒”がなくなったら「ムネオらしさ」も失われてしまう気が……。