社会・政治
【すすきの・首切断殺人事件】父・田村修被告に執行猶予つき判決「戻って来られると困る」近隣住民の困惑

瑠奈容疑者の小学校の卒業アルバム写真
懲役1年4カ月・執行猶予4年。はたしてこれは重いのか軽いのか——。
2023年7月、世間が震撼した札幌市での殺人事件。札幌・すすきのの繁華街にあるラブホテルの一室から、頭部のない男性の遺体が発見され、約3週間後、犯行に関わった“親子3人”が逮捕された。
「娘の田村瑠奈被告が2度めの精神鑑定中なのに対して、父親の修被告は、死体遺棄ほう助などの罪で、2025年1月14日から裁判員裁判が始まりました。母親の浩子被告が証人として出廷するなど、10回にわたり、おこなわれた公判では、瑠奈被告が被害男性の目玉をくり抜く様子や、頭部の皮を剥がすところを修被告が映像で残すなど、遺体損壊の方法が具体的に明かされました。
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2月18日に結審した時点では、検察側は懲役10年を求刑し、弁護側は一貫して無罪を主張していました。修被告が精神科医であったことで、さらなる注目を集めた裁判ですが、ついに3月12日に判決が言い渡されました」(事件担当記者)
それが冒頭の判決だ。検察の求刑を大きく下回るもので、なにより執行猶予がついていることに、驚きが集まった。
「裁判の争点のひとつは、“殺害の計画”を修被告が知っていたかどうかです。この点について、裁判所は『事前に認識していたと断定できない』として、量刑が軽くなりました。しかし、自宅に頭部が置かれたまま通報もしなかったことに対しては、死体遺棄ほう助が認定されています」(同前)
執行猶予がついたことで、実刑を免れた修被告。判決が確定した場合、修被告は、被害者の頭部が保管されていた札幌市内の自宅に戻ることもできる。本誌は、判決の約3週間前、修被告の自宅を訪れたが、人が出入りしている様子はなかった。
住宅街にあるシックな3階建ての一軒家には、「TAMURA」という表札がそのままにされている、自宅周辺は、足跡ひとつない新雪で覆われていた。玄関の横には、例年、雪おろし用に使っていたと思われる、用具の手持ち部分の一部が顔を覗かせている。近隣住民はこう語っていた。
「逮捕後から、人の出入りはまったく見ていませんよ。親戚も関わらないようにしているのじゃないかな。もともと近所づき合いがない方なので、娘さんの姿もほぼ見たことがないんです。事件から1年半、やっと報道も落ち着いてきたので、もし無罪になってこの家に戻って来られると困りますね」
果たして、修被告は今後、事件にどう向き合っていくのだろうか。