社会・政治社会・政治

“令和のコメ騒動”に備蓄米放出も「表記しないで」JA全農の方針に消費者が違和感…小売店がこっそり明かす「備蓄米の見分け方」

社会・政治
記事投稿日:2025.03.19 16:14 最終更新日:2025.03.19 17:23
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
“令和のコメ騒動”に備蓄米放出も「表記しないで」JA全農の方針に消費者が違和感…小売店がこっそり明かす「備蓄米の見分け方」

3月14日の会見で、コメの買い占めに走らないよう消費者に訴えた江藤拓農林水産大臣(写真・共同通信)

 

 2024年夏、いわゆる“令和のコメ騒動”で店頭からコメが消えると、政府は「秋に新米が出回れば、価格は落ち着く」と語っていた。しかし、新米の時期になってもコメ不足と価格高騰は収まらず、2025年になると小売価格は5kg4000円を突破。この1年で2倍の価格となった。

 

「そのため農林水産省は、3月10日から、JA全農などの集荷業者を対象に2023、2024年に収穫された41品種15万tの入札をおこない、9割以上にあたる約14万tが落札されました。平均落札価格は消費税抜きで、60kgあたり2万1217円です。

 

 3月24日ごろから、精米や輸送費など最低限の経費を上乗せした価格で店頭に並ぶ見込みですが、市場関係者の間では、コメの価格は『下がる』『変わらない』の意見が半々です」(社会部記者)

 

 落札された備蓄米は、どのような形で売られるのだろうか。

 

 

「41品種と多く、生産年もまちまちなので、多くは、いくつかの産地のコメを混ぜるブレンド米として売られるようです。外食産業での需要が見込まれています」(前出・社会部記者)

 

 消費者にとっては、価格が安くなり、安定供給されるのならうれしいことだが……。JA全農が販売者に「備蓄米とあえて表記しないでほしい」と要請したことで、消費者から戸惑いの声が上がっている。

 

「備蓄米の価格は通常、販売されるコメより安くなることが予想されています。そうしたこともあり、JA全農は『買う人が取り合いになり、消費者や流通が混乱することを避けるため』としています。農水省は表記について指導をしていません。

 

 しかし、消費者からは『新米ではない備蓄米とわかったほうがいい』『表記をしないのは、質が悪いからでは、と勘繰ってしまう』などの声があります」(経済担当記者)

 

 Xにも《取り合い防ぐのはわかるけど、消費者目線はどうなの?》《古いお米なのに表記しないのってどうなん?》《ちゃんと備蓄米は備蓄米という表記は必要不可欠》など、疑問視するポストが多かった。

 

 では、どのような袋のデザインになるのだろうか。JA全農広報担当者に聞いた。

 

「私どもから卸さんに渡るので、(袋のデザインは)卸さんのご判断になります。(単一の)銘柄で販売されれば、その銘柄が表記されるでしょうし、ブレンド米であれば、ブレンドされた銘柄が表記されると思います」

 

 たしかに、一見して備蓄米かどうかを判別することは難しいようだ。しかし、都内のコメ小売店に話を聞くと、「備蓄米判別」のヒントを、こっそりとこう教えてくれた。

 

「袋には何年産かが書いてありますから、ブレンド米で複数の収穫年が記してあれば、備蓄米である可能性が高いですね。しかし、備蓄米といっても管理状況はいいので、味に遜色はありません」

 

 農水省は3月26日から2回めの備蓄米入札をおこなう予定だ。“令和のコメ騒動”が収まることを期待したい。

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

社会・政治一覧をもっと見る