社会・政治
【意地悪質問】「カリスマ性はあると思う?」「論破は苦手?」“正直すぎる党首”斉藤鉄夫・公明党代表が答えた!

斉藤代表(写真・木村哲夫)
執務室の一角にうず高く積まれた「時刻表」を前に微笑む紳士。この男、ただの”鉄ちゃん”ではない。公明党の斉藤鉄夫代表(73)だ。
「党の代表というのは、党内をまとめることが大切です。そのためには然るべき準備をして、求心力を持ってトップに立つのでしょうが、私は準備期間がまったくなかったので『代表としてどのように党内を引っ張っていくのか』が大変で、就任当初はなかなかできなかったですね。最近やっと、『代表』と呼ばれることに慣れてきました」と明かす。
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温厚な人柄として知られ、正直者とも評される。その正直さゆえなのか、代表就任直後の記者会見では、昨年の衆院選での敗北を自民党の裏金問題に一因があるとして「もらい事故」と発言してしまった。このように”裏表がない”斉藤氏に、本誌は20の質問をぶつけた。斉藤氏は「答えづらい質問ばかりですね」と頭をかきながらも、正直に答えてくれたのだった。
・裏金議員公認を後悔した理由は?
今年2月10日に出演した『報道1930』(BS-TBS)では、収支報告書に裏金の不記載があり、自民党から公認・推薦を見送られた議員を公明党独自に推薦したことを質問され、斉藤代表は「後悔しています」と即答した。
「瞬時に質問が出たので、瞬時に同じ言葉を使ってしまったんですね。放送後、党内からもお叱りの声をいただきました。
『後悔』という言葉使いが、いいのか悪いのかはわかりませんが、自民党でさえ公認しなかった候補を公明党が独自に推薦したことに、結果として国民の理解が得られなかった。そのことに想像を働かせることができなかった自分について、反省して後悔している、というのが本当のところでした」
・公明党代表就任は青天の霹靂だった?
昨年10月の衆院選挙で、石井啓一前代表が落選。代表を辞したことから急遽、斉藤氏が後任として代表となった
「まったく予想していませんでした。山口那津男元代表のもとで15年間、幹事長をはじめとしてさまざまな立場で頑張ってきました。
山口さんと私は、同じ年の生まれです。私が2月生まれなので学年はひとつ上ですが。そして山口さんの後を、6歳下の石井さんが引き継ぎました。ですから、山口さんより年上の私が代表になるとは思いもしませんでした。
環境大臣、国土交通大臣、党幹事長、政調会長、選対委員長など経験だけはあるので、これからも(代表を)お支えするとばかり思っていました」
・自分には「カリスマ性がある」と思う?
「カリスマ性はありません(苦笑)。ざっくばらんに言いますと、山口さんはカリスマ性があると思います。支持者からの信頼も、とても厚いですし。公明党は昨年、結党60年を迎えました。還暦です。生まれ変わる。そのために(私は)土台を固め、若い人に引き継ぐ役割を担う代表だと思っています」
・論破するのは苦手?
「丁々発止で議論して、相手を論破するというのは得意ではありませんが、大臣や党の要職をやらせていただき『説得力』は身につけてきたつもりです。相手の意見をじっくり聞いた上で、経験にもとづく説明と熱意で、こちらの言い分をわかってもらうという姿勢は貫いていきたいと思っています」
・テレビにはあまり出演したくない?
「予想されていない質問が飛んでくる場面が、特にそうです。テレビ出演と同じくらい記者会見も緊張します。大臣の会見では、とても優秀な官僚が想定問答のようなものを作ってくださるので、それほど困りません。国会でも質問する議員から事前に『質問通告』をいただきますので、立ち往生することはないのですが、代表の会見は違うんですね。どんな質問がくるかわからない。しかも、口が滑るとすぐに突っ込んだ質問がくる。緊張感が溢れる会見です。自分の『実力』が出てしまうんですね」
・スタイリストをつけたい?
「アドバイスをいただけるとありがたいとは思いますが、私の場合、ついてくださっても期待に添えないと思います。
今は娘と一緒に暮らしているので、『今日テレビに出るんだけど、ネクタイはどれがいいかな』と聞く程度です」
・愛用のスーツでいちばん高級なものは?
「サラリーマン経験もあるので、そのときに買い求めた量販店のスーツを今も多く持っています。スーツといえば、こんな思い出があります。初当選してしばらくしてから、地元の高校の同級生たちが『おい斉藤、これでスーツを作れ』とお仕立て券をくれたんです。今でも、このときに仕立てたスーツを年に数回着ています。お腹周りがだいぶキツくなりましたが、持っているスーツでいちばん高価です。最近は2、3年に一度、新調しています」
・女性層からの人気は、あるほうだ
「人気があるかはわかりませんが、温かく応援していただいると思います。地元でも、しっかりと支えてくださっています。もちろん、男性の支持者の皆さんも献身的に支えてくださっています」
・自分自身の選挙は「正直、憂鬱」だ
「若い時は、正直に申しまして『大変だな』と思うこともありましたが、選挙を重ねると、だんだん『よし、選挙だ。やるぞ。絶対に負けないぞ!』とグッと力が入ります。小選挙区になってから、基本的には一対一の戦いですからね」
・選挙のときは験担ぎをする?
「やります。カツカレーも食べます。選挙中はジャンパーを着ることが多くノーネクタイですが、ネクタイを締めるときは勝負色の赤いネクタイです。最初の選挙で赤いネクタイを締めて勝ったので、それ以来の験担ぎです。
ほかに、街頭演説を行う交差点は、同じ方向から入って同じ方向に曲がります。『そういえば前回、この交差点はこう曲がったな』と、鮮明に覚えているものなんです」
7月の参院選まで後3カ月。てっちゃんコールは巻き起こるだろうか。