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小泉進次郎氏「コメ5kg3000円」成功で狙う「2年半後の総裁選」…識者が語る “コメ担当大臣” の勝算

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記事投稿日:2025.05.28 14:10 最終更新日:2025.05.28 14:10
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
小泉進次郎氏「コメ5kg3000円」成功で狙う「2年半後の総裁選」…識者が語る “コメ担当大臣” の勝算

 

 

 5月21日、小泉進次郎氏が農林水産大臣に就任した。石破首相はこの日、会見で「コメ価格の高止まりなど、農林水産行政の課題が山積するなか、強力なリーダーシップと、これまでの経験の下、解決に向け、全力をあげて取り組んでもらいたい」と期待を込めた。

 

 石破首相と小泉氏の親しい関係は、「小泉氏が初当選した頃から」と指摘する声が永田町に多い。

 

 政治評論家の有馬晴海氏も、「小泉さんが石破さんに『防衛の勉強をしたいんです』とお願いしたことがあります。そのとき石破さんは『こういう本を読んだらいいよ』と何冊か薦めたそうです」と証言する。

 

 

 今回、石破首相は、なぜ小泉氏に白羽の矢を立てたのか。

 

「石破首相は、5月21日の党首討論で、コメの価格について『(5kgあたり)3000円台でなければならない』と明言、実現できなければ『責任をとらなければならない』とまで言いました。これを実現するには、農協に批判的な考えを持ち、ネームバリューと発信力がある小泉さんが適任だと考えたのでしょう。

 

 さらに、今年7月には参院選があります。3000円台が実現できれば、小泉さんは農水大臣として全国を回り、成果をアピールできます。これは参院選にものすごく高い効果をもたらすでしょう」(有馬氏)

 

 だが、党内での声は低調なようだ。政治部記者がこう語る。

 

「小泉大臣は、放出する備蓄米について『早ければ6月上旬にも5kgあたり2000円台でスーパーなどの店頭に並ぶよう準備を進めている』と、石破首相の『3000円台』より踏み込みました。この発言に、党内では『大丈夫か。また口先だけにならないか』と心配する声が多いんです。

 

 というのも、2024年9月の自民党総裁選で候補者の1人になった小泉氏は、『1年以内に解雇規制の見直しをする』と宣言しました。しかし、『企業が従業員を解雇しやすくなる』と批判が集中すると、あっさり『昭和の時代の働くルールを令和の時代にあわせる』と曖昧な小泉構文にすり替えました。

 

 その結果、序盤こそトップを走ることもありましたが終盤に失速。1回めの投票で3位に沈み、決選投票に進めませんでした。このようにアドバルーンを上げるだけで結果を出せないことが多々あり、今回もその轍を踏むと見られているのです」

 

 もともと米価は、2024年夏まで2000円台だった。だとすれば、それほど無理難題ではないようにも思えるが、それだけ小泉氏の言葉に信用がないということだろう。

 

 米価を下げるには、自民党内の「農水族」議員の抵抗も考えられる。小泉氏は、こうした逆風を乗り越えられるのか。前出・有馬氏が続ける。

 

「小泉さん自身が『コメ担当大臣』と言っているように、農政全部を変えるのではなく、“コメの値段を下げる” ことだけを優先しています。選挙を考えたら、農林族の議員も『当選するには、農協の票より国民全体の票が欲しい』となりますから、それほど抵抗はないと思います。

 

 もし、3000円台が実現すれば、2年半後の自民党総裁選に名乗り出ることも考えられます。しかし、実現できなければ、さらにその後の総裁選まで待たなければならない。そういう意味において、小泉さん自身も正念場です」

 

 成功すれば一気に “昇進” するが、失敗すれば失脚は免れない。小泉氏の本気度が試される。

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