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「2万円給付」石破首相“その場しのぎ”景気対策、有権者の大半が「効果なし」も参院選は「自民優勢」の不思議

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記事投稿日:2025.06.19 17:30 最終更新日:2025.06.19 17:30
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
「2万円給付」石破首相“その場しのぎ”景気対策、有権者の大半が「効果なし」も参院選は「自民優勢」の不思議

石破茂首相

 

消費税減税にはそれなりの時間がかかる。物価高に苦しんでおられる方々には、給付金の方がはるかに効果的だ」

 

 6月18日、石破茂首相は出席していた「G7サミット」(カナダ)で記者団にこう語り、胸を張った。

 

「これまで石破首相は『財源がない』を繰り返し、消費税減税には否定的でした。しかし参院選を目前にして、景気対策は必要。そこで、現金給付を決めました。全国民に一律2万円、さらに、子ども全員と住民税非課税世帯の大人には、追加で2万円を給付します。

 

 しかし、国会の党首討論では『給付金を検討している事実はない』と答弁していたので、この前言撤回に自民党内からも『有権者にはフラフラしているように見える』と批判の声があがっています。

 

 しかも財源は2024年度の『税収上振れ分』ということですが、同年度の税収はまだ確定していないのです」(政治担当記者)

 

 

 もはや「その場しのぎ」(立憲民主党参院議員)にも見える突貫政策に、2024年の自民党総裁選に立候補し、石破首相と戦った「コバホーク」こと小林鷹之元経済安全保障相は16日、国会内で記者団に「昨年も定額減税をやった。その効果をもう少ししっかりと詰めてから、丁寧に決定したほうがいい」と苦言を呈した。

 

 ほかにも泉房穂前兵庫県明石市長は、19日、自身のXに《選挙直前になって、いきなり「国民に現金を配ります」と打ち出す政治があまりに情けない。こんなの政策とすら言えない》とポストしている。

 

 給付の実務を担当する自治体からも悲鳴があがる。

 

「マイナンバーが、給付を受ける銀行口座などに紐づけされているかの確認作業に、膨大な時間と労力がかかります。

 

 千葉県の熊谷俊人知事は6月11日に公式Xを更新し、《また、政府が現金給付を検討。それを実施するのは全国の市町村公務員》とポスト。翌日には同じくXで《現金給付に要する事務経費を絞ってきます(中略)そのおかげで市区町村は実際にかかった費用よりも少ない事務経費しか貰えず、職員の人件費も回収できません》と実状を訴えています」(社会部記者)

 

 現金給付は消費に回らず、貯蓄される傾向があるといわれる。

 

 6月19日付の日本経済新聞は「特別定額給付金を実施した2020年度の家計調査で平均貯蓄率は35.2%だった。前年度に比べて3.2ポイント上がった」としている。

 

 また同紙の4月世論調査では、現金給付に関して「効果があると思わない」の回答が74%を占め、有権者からも突然の現金給付の“意図”が見透かされている状況だ。

 

 こうしたなかで迎える参院選。自民党には批判の声が渦巻いているが、実際には議席を伸ばすとみられている。

 

「国民民主党が失速したことが大きいですね。玉木雄一郎代表の不倫問題はなんとか乗り切りましたが、山尾志桜里氏の公認、さらには取り消しで“ゆるやかな国民民主党支持者”が離れました。同党の支持層には自民党寄りの有権者も多かったので、その人たちが再び自民党に投票することが考えられます」(永田町関係者)

 

 また、政治評論家の有馬晴海氏は本誌の取材に「野党がバラバラの状況では『比較するとまだ自民党の方がマシ』という有権者も多いとみて、自民党が議席を上積みする可能性がある」と指摘する。

 

 また漁夫の利を得そうな自民党である。

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