社会・政治
橋本聖子氏がJOC新会長へ「もう一度日本で五輪を」発言に国民猛反発“疑獄まみれ”東京2020を思い出す声続出

6月26日、JOCの新会長に選出され、記者会見する橋本聖子参院議員
6月26日、日本オリンピック委員会(JOC)の新会長に橋本聖子参院議員が選出された。同日におこなわれた記者会見で、橋本氏が話した内容に、SNSでは続々と反発が寄せられている。
橋本氏は会見で「さらなるオリンピックムーブメントを巻き起こしていかなければいけない」などと語り、今後の五輪招致については「もう一度、日本でオリンピックをやりたいという声はある」とも話した。
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続けて「日本が再び五輪・パラリンピックを招致し、平和の象徴である姿を見せることはJOCの使命だと思う」などと、意気込みを語ったという。
橋本氏はスピードスケートで冬季4度、自転車競技で夏季3度の合わせて7度、五輪に出場した。1992年のアルベールビル冬季五輪スピードスケート女子1500mで銅メダルを獲得。1995年から参院議員を務め、現在5期めだ。東京五輪・パラリンピック担当相や同大会組織委員会委員長を歴任するなど、五輪には思い入れがある。
橋本氏は今後のオリンピック招致に積極的な姿勢をみせたものの、2021年に開催された2020東京五輪・パラリンピックにおいては、スポンサーの制定や公式ライセンス商品をめぐり贈収賄事件が起こったほか、広告代理店・電通主導による談合事件も生んでいた。
社会部記者が言う。
「元電通マンで大会組織委員会の高橋治之元理事が、在任中にAOKIホールディングスとコンサル契約を結び、多額の金を受け取ったとして、2022年8月に受託収賄容疑で逮捕され、AOKIの青木拡憲前会長らが贈賄容疑で東京地検特捜部に逮捕されました。
東京五輪をめぐる汚職事件では、AOKIのほかに出版大手のKADOKAWA、広告代理店の大広など5つのルートで、贈賄側は12人、収賄側3人の計15人が起訴される事態となりました。収賄側1人と贈賄側10人の、計11人の有罪が一審で確定しています。5つのルートすべてで受託収賄罪に問われている高橋被告は無罪を主張し、公判中です。贈賄側では、KADOKAWA元会長の角川歴彦(つぐひこ)被告も無罪を主張し、こちらも公判中です。
また、大会組織委員会が発注したテスト大会の計画立案や実施のほか、本大会運営の各業務をめぐる談合事件では、公正取引委員会が2025年6月23日、電通グループなど7社に対して、独占禁止法違反で約33億円の課徴金納付命令を出しました。電通グループが談合を主導したと認定したわけです」
こうした、異例の疑獄まみれとなった2021年の東京五輪などを受けてなお、五輪誘致に意欲を見せる橋本氏に対し、Xでは異を唱えるような投稿が相次いでいる。
《汚職塗れの東京五輪の総括もせずに、よくそんな事が言えるな。》
《勝手に使命にするな!もういわんわ!》
《オリンピック、いらない。》
《やりたくないっていう声の方が多いんじゃないですかね?》
前出の記者が言う。
「札幌市は2030年冬季大会の招致を目指し、活動していましたが、東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件、談合事件の影響で招致を断念した経緯があります。
2034年冬季大会の招致からも脱落していますし、何のために招致するのか国民を説得できない限り、賛同を集めるのは困難を極めるのではないでしょうか」
女性初のJOC会長は、どんな手腕を発揮してみせるのだろうか。