社会・政治
【法律事務所刺殺事件】原因は同僚間のトラブル…容疑者の弁護を“職場の弁護士”が担当する可能性は

2025年7月1日、巣鴨署から移送される渡辺玲人容疑者(写真・梅基展央)
「致命傷は、椅子に座っていた芳野さんの背後から、ナイフで首を突き刺した傷とみられています。1カ所ではなく、何カ所も刺したようです」(社会部記者)
7月1日、東京・池袋の超高層ビル「サンシャイン60ビル」の31階にある「アディーレ法律事務所」で、事務所従業員の芳野大樹さんが、ナイフで首を複数回刺され、死亡する事件が発生し、同じ事務所の従業員・渡辺玲人容疑者が殺人容疑で逮捕された。渡辺容疑者は、自宅から持ってきた折り畳みナイフで、仕事中の芳野さんを背後から襲い、殺害したとみられている。持っていたリュックからは、ほかに2本のナイフも見つかっており、強い殺意があったとみられる。
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現場は、複合商業施設「サンシャインシティ」のなかにあり、池袋のランドマーク的な存在のビルだ。
「一時は無差別殺人事件ではないかとの情報が流れ、現場は騒然となりました。渡辺容疑者は犯行後、ナイフを所持したまま、JR池袋駅東口にある交番に出頭。この交番前は、池袋でもっとも人通りの多い場所のひとつでした」(同前)
事件は、法律事務所で働く同僚同士の揉めごとが原因とみられる。7月2日現在、渡辺容疑者は警察の取り調べに「芳野さんに恨みを持っており、我慢の限界がきた。痛みを与えたかった。死んでも構わないと思って刺した」と答えているという。
アディーレ法律事務所は、過払い金返還訴訟を多く手がけ、CMなどでもおなじみの法律事務所。サンシャイン60内に「本店」があり、全国65カ所の拠点に235人の弁護士が所属している、業界でも最大手の法律事務所だ。
こうして事件の場合、アディーレ法律事務所は、渡辺容疑者に依頼されたら弁護をするのだろうか。別の社会部記者はこうみている。
「こうした事件の場合、国選の弁護士がつくと思われます。もちろん、アディーレの弁護士が私選弁護人になることもできるはずです。内部の事情をよく把握していますから。ただ、被害者の遺族からすると、容疑者の弁護を、職場の弁護士がやるということに抵抗があるかもしれません。言ってみれば事務所も被害者といえるので、私選弁護人だとしても、アディーレ以外から探すのではないでしょうか」
アディーレ法律事務所は7月1日、HP上にコメントを発表。《今回の事態を重く受け止め、警察の捜査に誠心誠意協力するとともに、事実関係が明らかになり次第、速やかに皆様にご報告いたします》としている。
前例を見ない法律事務所内での殺人事件。どのような裁判がおこなわれていくのか。