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社民党の「政党要件」消失危機救ったラサール石井氏、議員会館お引越し 持ち込んだのは「アニメのリトグラフ」&「伊勢神宮の神棚」

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記事投稿日:2025.08.04 06:00 最終更新日:2025.08.04 06:00
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
社民党の「政党要件」消失危機救ったラサール石井氏、議員会館お引越し 持ち込んだのは「アニメのリトグラフ」&「伊勢神宮の神棚」

初当選を果たしたラサール石井参議院議員(写真・長谷川 新)

 

  7月20日に投開票がおこなわれた参議院議員選挙。自公が“少数与党”に転落するなか、もうひとつ注目されたのが社民党の「政党要件」の確保だった。政党要件を失うと、衆議院選挙の小選挙区で政見放送が流せなくなるなど、さまざまな制限がかかる。この、社民党の命運をかけた選挙戦で、同党から唯一の当選を果たしたのが、タレントや俳優として活躍したラサール石井氏だ。

 

 初当選で議員会館に引っ越ししたラサール石井氏を直撃した。

 

「とにかく暑くて、たいへんでした。サウナのなかで8時間連続“一人芝居”をしているみたいで、体重も激減しましたけど、思い返すと、あれよあれよという間の選挙戦でしたね」

 

 

 まだ電話機しか置かれていない執務机の椅子に座り、石井氏は真夏の戦いを振り返った。胸元には、議員バッジが。

 

「(バッジの)重みは感じていますけど、スーツを着てバッジをつけていると、なんだか衣装に小道具をつけて、芝居をしているような感じがして」と苦笑する石井氏は、長くSNSなどで政治的な発言を繰り返してきた。以前から政治に興味があったのだろうか。

 

「若いころは、(元東京都知事の)青島幸男さんにあこがれていたので、『いつかは……』と夢見たこともありました。

 

 だけど、SNSなどで(政治的な考えを)発信すると、舞台の宣伝をする動画を撮るだけなのに『ラサールさんが出るのはちょっと……。ほかの役者さんに代わってもらえますか』と露骨に言われたこともあり、芸能活動に影響があったのも事実です。

 

 CMや番組に出られないのは覚悟のうえでしたけど、ただの宣伝もダメとは、言ってみれば言論弾圧。(制作側の)忖度ですよ。だって“政権擁護”の発言をする人は、テレビに出ているんですから。

 

『それなら、政治的発言を仕事にするしかないな』と思ったことも(立候補した)ひとつの理由です」

 

 社民党のイメージを聞くと「固いですかねぇ。言ってることは真っ当だけど、それが難しく思われて、敬遠されていると思う」という。

 

 その社民党は、参院選の結果次第では政党要件を失うという危機に瀕していた。

 

「要件を満たすためには『国会議員5人以上』か『国政選挙での有効得票率が2%以上』のどちらかをクリアしなければならなかったので、社民党は『2%以上』を目指しました。

 

 みんなでNHKの開票速報を見ていましたが、2%を超えたり割ったりしながら、最後の最後で2.06%。ギリギリでした。

 

 当選後の最初のおめでとうメールですか? たぶん、佐藤B作さんのLINEだったと思います。僕の当確が打たれたのが明け方。B作さんは朝まで開票速報を見てくれていたんですね。ほとんどの人は2時ごろで寝てしまい、朝に『おめでとう』のLINEがきていました(笑)。

 

 参院議員として取り組みたいことは沖縄問題、奨学金問題など多岐にわたりますが、地道にじっくり活動していきたい。全国を行脚して、タウンミーティングを兼ねたスタンダップコメディライブなども考えています」

 

 議員会館の自室には、個人的に収集しているというアニメーションのリトグラフなどをさっそく持ち込み、“自分色”に染めつつある石井氏。「固い」イメージの社民党も“石井色”に染められるだろうか。

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