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小泉農水相、総裁選へ出馬表明「賃金100万円増」掲げるも真の問題は「実質賃金」待たれる具体的な物価高対策

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記事投稿日:2025.09.20 14:45 最終更新日:2025.09.20 14:45
出典元: SmartFLASH
著者: 『FLASH』編集部
小泉農水相、総裁選へ出馬表明「賃金100万円増」掲げるも真の問題は「実質賃金」待たれる具体的な物価高対策

小泉進次郎農水相

 

 9月20日、小泉進次郎農林水産相は記者会見を開き、自民党総裁選への出馬を正式表明した。「自民党は政治とカネの問題ばかりで、国民の不満に向き合えていなかった。物価高に対しても、本当に苦しい方への想像力に欠けていた」などと述べ、総裁選への意気込みと経済対策を重視する姿勢を強調した。また、公約として「2030年度までに国内投資135兆円、平均賃金100万円の増加を目指す」ことを表明した。

 

 この公約内容については9月19日、TBSが「20日に発表する公約に『2030年度までに平均賃金100万円増を目指す』ことなどを盛り込むことがJNNの取材で分かりました」などと報じ、ほかにも共同通信など報道各社で同様に伝えられていた。

 

 この報道に、Xでは小泉農水相に対するツッコミが相次いで投稿されている。

 

《そんなことが出来るならどうして今までやらなかったの?》

 

《小泉農水相、またポエム政策か。根拠も実現手段も示さず耳障りのいい数字だけ並べても、国民の生活は変わらない。》

 

《年収100万増えても手取り変わらなさそうなのが怖い。》

 

《賃金を上げるのは政府の仕事ではなく経営者の仕事。政府ができることは手取りを増やすための減税。》

 

 

 政治担当記者が言う。

 

「バブル崩壊後の『失われた35年』などといわれた日本経済の低迷期間に、政権を担当していたのはほぼ自民党です。その間、国民の生活は少しも楽にならず、効果的な政策を実施することができなかったわけです。それをいとも簡単に『5年で平均年収を100万円増やします』と言われても、にわかには信じがたいと思うのは仕方ないでしょう」

 

 しかし、小泉農水相が主張する「5年後に100万円増」という数字は、夢物語というわけでもなさそうだ。経済担当記者が言う。

 

「厚生労働省の発表では、2025年7月の名目賃金を示す1人あたりの現金給与額は、前年同月比で4.1%増となり、これで43カ月連続でプラスとなっています。つまり、名目賃金はここのところずっと上昇しているのです。2024年の平均年収が約460万円ですから、名目賃金上昇率4.1%が平均でずっと続ければ、5年後には562万円になるため、計算上では100万円増となります。ですから、いまの賃金上昇率が5年間キープされれば、小泉氏でなくてもそうなるのです。

 

 しかし問題なのは、物価などを考慮した実質賃金が増えていないことです。7月の実質賃金は0.5%増と、7カ月ぶりにプラスに転じましたが、厚労省の毎月勤労統計調査では、ここ2年の間でも実質賃金が前年同月比でプラスになったのは、2025年7月を含め5回しかありません。石破茂首相も、この“実質賃金”のプラスが続かないことに気をもんでいました。小泉氏もこの“実質賃金”に目を配ることが必要でしょう」

 

 自民党ベテラン秘書が言う。

 

「国民の最大の関心事は、物価対策や経済政策、社会保障問題です。平均賃金を『5年で100万円増やす』と言っても、具体的にはどうするのかとか、物価高対策をどう実行し、実質賃金を増やしていくのかなど、細かな説明が求められます。今後は候補者討論会もあり、小泉氏の物価高対策や経済政策に注目が集まりそうです」

 

「絵に描いた餅」にならなければいいのだが…。

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