社会・政治
15人詐欺集団ご一行さま、前代未聞の「行列帰国」
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2019.05.31 06:00 最終更新日:2019.05.31 08:15
羽田空港に着いたのは12人だった。一般乗客が降りると、彼らは整列させられた。軽装でキャップやパーカーのフードをかぶり、マスクをつけた容疑者たちを、30人近くの捜査員が挟むように立つ。12人もの容疑者が列をなして連行される姿は、前代未聞だ。
5月24日、タイのパタヤを活動の拠点としていた、振り込め詐欺グループのメンバー15人が、日本に移送された。警視庁は、機内で逮捕状を執行。
【関連記事:現役詐欺グループが明かす“年金「流出名簿」の使い道”】
逮捕されたのは、日本に詐欺の電話をかける「かけ子」とみられる。リーダー格とみられる3人は、成田空港に移送された。被害総額は、2億円超とも。成田の3人を含む、逮捕された15人は、いずれも住所不定、職業不詳の22歳〜54歳の男性だ。
犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が解説する。
「被害者は日本国内にいるが、インターネット電話を無料でかけられ、しかも捜査権が及ばないために、海外から電話するほうが『かけ子』にとって安心感がある。
さらに、パタヤといえば有名なリゾート地で、外国人がいても、なんら違和感がない。1カ月2、3万円あれば、10人でゲストハウスに住めて、日本で拠点を構えるより安く上がる」
逮捕者には、借金返済のためグループに加わった者もいた。こうしたグループは、東南アジアの各リゾート地に潜んでいる。
(週刊FLASH 2019年6月11日号)