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被災地で荒稼ぎ「リフォーム詐欺」ターゲットはこういう家
社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2019.11.03 06:00 最終更新日:2019.11.03 06:00
「リフォーム詐欺は、東日本大震災を契機に九州から全国に広まりました。正直、台風19号は天の恵みで、リフォーム詐欺の書入れ時。災害ひとつで、1500万円は稼げます。つい最近、最新型のベンツを現金一括で買っちゃいました」
そう語るのは、リフォーム詐欺歴7年のA氏(31)。なんとも許しがたい話だが、「おもなターゲットは、70歳以上の高齢者」というから、高齢者だけでなく、高齢者の親を持つ世代にとっても他人事ではない。
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高齢な親を詐欺から守るにはどうすればいいのか。まずは、その具体的な手口を聞いていこう。
「災害が起きたら、速度が命です。行政より早く動き、被災者が冷静な判断ができないうちに、“早く家を直して、元の生活に戻りましょう” と優しく声をかける。契約書にサインさせた翌朝8時には、職人さんを派遣し、工事を始めてしまいます。『やっぱりやめたい』と言えないように、職人も強面ぞろいです」
なんとA氏は今回、被害甚大だった長野県長野市で、すでに “契約” を取ったという。
「台風通過後の10月14日には、現地入りしました。今回の “カモ” は、63歳のひとり暮らしの女性です。フローリングや壁紙の張り替えなどで、工事費500万円の契約。これは相場の5倍以上の金額です」
もちろん、災害直後だけが、彼らの活動期間ではない。
「ふだんは、じっくり “獲物” を選びます。ひとり暮らしの高齢者がいちばんの狙い目で、子供と疎遠な人なら、よけいな茶々が入らないので、なおさらいい。
具体的には、まずリフォームを提案しやすい古びた外観の家であることが条件です。それから、『セールスマンお断わり』『NHKお断わり』などのシールを貼っている家も狙い目。最後は怒鳴られても、とにかく玄関口には出てくる可能性が高いんです。そうなればこっちのもの。
また、地域のボランティア活動に積極的な、世話好きな “お人好し” もカモです。とくにPTAなどから頼まれて、『子ども110番の家』のステッカーが貼ってある家は成功率が高いので、積極的に狙います」
地域に貢献しようとする善意が、逆に食いものにされているというのだから要注意だ。
「口説き方としてよく使うのは、『屋根瓦がはがれているので、無料で直しますよ』などと言って、近づく手です。高齢者は屋根に登れないので、口説きやすい。
直したふりをした後、『屋根に水漏れの気配があるから、建物が腐らないように、換気設備も必要です』と言って、不要な換気口を作ってお金を取る。
『シロアリ駆除』の名目も使えます。まず、『近所でシロアリ被害が出たので、無料で検査します』と声をかけ、ボロボロの別の家の柱の写真を見せて、『検査結果です』と偽れば、向こうから工事したがる」
まさに悪逆非道な手口だが、どうすれば被害を防げるのか。
「無視がいちばんです。親に、“リフォーム詐欺” という存在を教えておき、無料で修繕すると言われても、絶対に受け入れないように、ふだんから念を押しておきましょう。
また、実際に災害で破損したり、家が古い場合は、複数の業者から見積もりを取るべきです。『狙われやすいシールをはがすこと』も検討してください。
私も本当は、こんな悪行からは足を洗いたいですよ。ただ、あまりにも楽に儲かるので、やめられないんです……」
いますぐ実家の親に、詐欺の危険性を伝えておくべし。
(週刊FLASH 2019年11月5日号)