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中国ではハンタウイルス…東京でもコロナの陰に数々の感染症が

社会・政治FLASH編集部
記事投稿日:2020.04.15 15:30 最終更新日:2020.04.15 15:31

中国ではハンタウイルス…東京でもコロナの陰に数々の感染症が

ハンタウイルスを媒介するネズミ(写真:CDC)

 

 新型コロナウイルスの抑え込みに成功したとされる中国で、別の感染症が報告され、騒ぎになった。
 雲南省臨滄市の健康委員会は、3月23日、出稼ぎに出ていた男性労働者が、ネズミを媒介とする「ハンタウイルス」に感染し、発症からわずか3時間ほどで死亡したことを報告した。バスで移動中に具合が悪くなったとされ、発熱の症状がみられる同僚2名も検査に回っている。

 

 

 このニュースを受け、ツイッターでは《コロナより糞やべぇ》《3時間後に死ぬとか映画やん もうやめてくれ》などのツイートが流れたが、ハンタウイルスとは、一体どういった病気なのか。医学博士で、WHO諮問委員を務めたこともある左門新氏がこう語る。

 

「ハンタウイルスによる疾患には、実は2種類あります。先日中国で発生したのは、アジアや欧州で確認されている腎症候性出血熱と呼ばれるもの。もう一つは、主に北南米で確認されているハンタウイルス肺症候群です。どちらも、基本はネズミのようなげっ歯類の糞尿や唾液から飛沫感染するんですが、致死率が格段に違う。前者は6~15%程度と、そう高いとも言えないレベルですが、後者は36%。これは感染症のなかでも、かなり高い数値といえます」

 

 今回、雲南省で起きた事例は、前者の「腎症候性出血熱」だ。症状としては、突然の発熱や頭痛、顔面紅潮、点状出血など。その後に重症化すると、腎臓への障害が起こり、腎不全に至る。

 

「雲南省で起きたのは、重症化して腎不全に陥ったケースです。ただ、多くの人はそこまで至らずに治ります。ハンタウイルス自体は特に新しいものではなく、中国でも毎年4万人程度の感染者が出ています。有効なワクチンも開発されており、パンデミックの心配は特にないと言っていいでしょう」(左門氏)

 

 ハンタウイルス感染症は、日本では1970年代以降、確認されていない。しかし、新型コロナ以外にも警戒しなければいけない状況は、日本も中国と変わらない。

 

 東京都感染症情報センターでは、東京都における各種感染症の患者数が各週ごとに公開されている。これを見ると、新型コロナの裏で、さまざまな感染症がはびこっていることがわかる。

 

 2019年12月30日から2020年4月12日までの累計を見ると、当然最も人数が多いのは「新型コロナウイルス」の2249人だが、次いで多いのは「結核」の700人だ。新型コロナほどではないが、2020年が始まってわずか3カ月半と考えると、決して少なくない印象を受ける。

 

 以下、「梅毒」363人、「百日咳」179人、「エイズ」91人、「侵襲性肺炎球菌感染症」84人、「E型肝炎」52人、「アメーバ赤痢」42人と続く。人数は少ないが、「コクシジオイデス症」「ジアルジア症」など聞いたこともない病気も並んでいる。

 

 当たり前だが、怖いのは新型コロナウイルスだけではない。必要な予防策はそれぞれ異なるが、手洗い・うがいなどの基本を丁寧に続けていくしかない。

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