「みんな、夢はあるかい? 1%の可能性があれば、必ずできる。きょうからトレーニングを始めて、もう一回プロ野球選手になろうと思います」
2019年11月、唐突に自身のインスタグラムで、こう宣言した新庄剛志(48)。15年ぶりの日本球界復帰を目指し、12月7日におこなわれる「プロ野球トライアウト」に臨む予定だ。
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常識的に考えれば、48歳という年齢でのプロ球界復帰は難しい。しかし、敬遠球をサヨナラ打にしたり、オールスター戦史上初のホームスチールを決めたり、ドーム球場の天井から登場したり……と、現役時代には、数々の常識を覆してきたのが新庄だ。
その極めつきは、2001年のメジャーリーグ移籍だろう。阪神残留なら保証された5年12億円(推定)の契約を蹴り、年俸約2200万円(当時のメジャー最低保証額)で、ニューヨーク・メッツに移籍。「誰にも相談しなかった。だって相談しても、間違いなく『無難な道を選べ』って言われるからね」と、自身の心情を吐露した。
そんな新庄だけに、今回のトライアウト挑戦も、じつに “らしさ” 全開だが、さすがに「無謀すぎる」という声が多いのも事実。ところが本人は、いたって本気だ。9月5日にシークレットゲストとして「東京ガールズコレクション」に登場した際には、こう話している。
「昼から5時間ほど練習している。『受からないかな』と思うけど、100%真剣。1%の可能性から、そのパーセントを増やしていきたい。あとは、生まれ持った強運があるから」
その発言を裏づけるかのように、本誌は11月下旬、都内で調整に汗を流す新庄に遭遇した。練習を引き上げ、車に戻ってきた新庄がシャツを脱ぐと、順調な調整ぶりを窺わせる、見事に “仕上がった” 体が垣間見えた。
現実問題として、トライアウトの結果次第で、獲得を表明する球団は出てくるのだろうか?
「どの球団も、選手として獲得する可能性はほぼないでしょうが、唯一、手を挙げるとすれば、古巣の日ハムでしょう。
2021年は、栗山英樹監督も就任10年めとなり、ファンから指摘されるマンネリ化に加え、観客動員はどん底。臨時コーチやなんらかの役職での、起爆剤としての獲得は、あるかもしれません」(日ハム担当記者)
そんな声を知ってか知らずか、着替えをすませた新庄が車を走らせ向かった先は、自宅近くのファミレスだった。絞られた肉体に似つかわしくない “ユルい” 食生活に、少し拍子抜けしたが、いい意味で期待を裏切ってくれるところは、現役時代さながらだ。
11月19日には、元妻の大河内志保(49)が著書『人を輝かせる覚悟』を上梓。その中で、彼女は新庄について「日本の財産」と評した。運命の12月7日、彼はまたも常識を覆すのか?
(週刊FLASH 2020年12月15日号)