現在、150名以上の選手がしのぎを削り、賞金女王は年間2600万円以上を稼ぐというガールズ競輪。
その女子競輪界には、“絶対女王” が存在する。ガールズ競輪史上初のグランプリ3連覇、3年連続賞金女王を達成した児玉碧衣選手(25)だ。
3月28日には、史上最速で通算100回めの優勝を飾った。太ももの周囲62cmという強靭な下半身と、キュートな笑顔が魅力の彼女。その強さの秘密は、勝利への貪欲な姿勢だった。
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「勝つことへの欲は、人一倍あると思います。1着と2着では賞金額が全然違いますし、正直にいうと、私、お金がすごく好きなので(笑)。特に大きなレースは、優勝すると数100万円から1000万円とかになりますからね」
稼いだ賞金で親孝行をしているという女王。では、自分へのいちばん大きなご褒美は?
「愛車のレクサス・LCクーペ。1600万円くらいでした。高級車に乗ってると驚かれるじゃないですか。『あの人、何してる人だろう?』『ガールズ競輪というのがあるんだ』『そんなに稼げるんだ、一度観に行ってみよう』というふうに繋がっていけばいいなと思っています」
ふだんは、どのような練習をおこなっているのか。
「試合がないときは14時ごろに競輪場に入り、18時くらいまで練習をおこないます。
ウオーミングアップに30分ほどバンクを軽く走ったあと、バイクに先導してもらって、1周全力で “もがく”(力を出し切る)のを3本くらい。
サドルにお尻を下ろすと、減速してしまう選手が多いのですが、私の場合、お尻を下ろしてからすぐに加速できるのが強みなんです」
練習後のプライベートは、インドア派だという。
「オンラインゲームをずっとやっています。『ファイナルファンタジー』とか『デッドバイデイライト』とか。
外に出るのは、飼っている犬を散歩やドッグランに連れていくときくらい。丸一日オフだったら、朝からゲームして、気づいたら翌朝ということもよくあります(笑)」
■3回声をかけられるも代表入りを辞退
年ごろの女性らしく、ファッションにも興味はあるというが、ある悩みが……。
「一般の女性よりすごく体ががっちりしているし、太ももも太いし。だから、この服かわいいなと思っても、ズボンを太ももに合わせると、ウエストがぶかぶかになっちゃうんです。これは、競輪選手に共通する悩みですね(笑)」
62cmの太ももは、最大の武器であると同時に、少しコンプレックスでもあるという。
「太いですよね(笑)。でも、競輪選手で細くて強い人はいません。この太ももがあるから、今の成績を残せているんです。アスリートとしては、堂々と胸を張れるんですが……。
じつは、友達と遊園地のジェットコースターに乗ったときのことなんですが、ガチャンと体を固定する安全バーがあるじゃないですか。
友達と隣同士でバーが下りると、私の太ももで止まっちゃうんです。友達は『もっと下まで締めたいのに、これじゃあ死ぬ~』と叫ぶんです(笑)。
太ももは競輪しているときは誇りですけど、それ以外のときはもうちょっと細くなってよ~みたいな。取り替えられたらいいんですけどね(笑)」
独身である彼女に、好みの男性のタイプを聞いてみた。
「背中ががっちりしている人。逆三角形でほどよい筋肉がついていて、シャキンとしている背中が好きです。
競輪場では男子も一緒に練習をしていて、上半身を脱いで着替えている姿をよく見るのですが、いいなあと(笑)。背中フェチなんですかね」
東京五輪で金メダルが期待された彼女だが、じつはナショナルチームから3回も声をかけられたが辞退した。
「ナショナルチームに入ると、久留米から静岡へ拠点を変えないといけないですし、ガールズ競輪への出場機会も減ってしまうので、私は逆にガールズ競輪を盛り上げられるように頑張りたいんです。
じつは私、初めて大きなレースで優勝したとき、今よりも10kg痩せていたんです。
だから、体重を10kg落としても、今と同じ強さのままの選手になりたいというのが目標です。グランプリ4連覇も狙っていきます!」
こだまあおい
1995年5月8日生まれ 福岡県出身 168cm66kg。2015年7月、松戸競輪場でデビュー。2018年~2020年、3年連続賞金女王&グランプリ3連覇を達成。2020年8月、史上最速となるデビュー5年1カ月で、通算獲得賞金1億円を突破
写真・馬詰雅浩、JKA
(週刊FLASH 2021年4月27日号)