「(五輪代表発表当日は)チームがオフだったので、テレビで見ていました。なんか、受かるとか受からないってこういう気持ちなのかなって、少し選挙のときの政治家の気持ちがわかった感じがしましたね(笑)」
そう話すのは、ロンドン五輪サッカー女子日本代表に選ばれた丸山桂里奈(29・大阪高槻)。今月2日、ロンドン五輪に臨むサッカー女子日本代表18人が発表された。サプライズこそ少なかったが、北京に続き2度めの五輪の指揮を執る佐々木則夫監督(54)から丸山の名が読み上げられたときは、報道陣からどよめきの声が上がった。
昨年のW杯準々決勝ドイツ戦で値千金の決勝ゴールを決めるなど、一躍ヒロインとなった丸山。その後は、ユニークなキャラもあってメディアに引っ張りだことなったが、五輪アジア最終予選で右膝前十字靱帯を損傷。一時は選手生命すら危ぶまれた。意地の悪いメディアは手のひらを返したように「丸山はもう終わった」などと書き立てた。そのときの心境を彼女はこう語る。
「もちろんへこみましたよ。手術後のリハビリは孤独で厳しかったし、復帰に向け個人トレーニングをしているときも自分が元の状態に戻れるかどうか不安で、走り込みをしながら一人涙を流すこともありましたね」
そんな丸山だったが、当初、全治8カ月と診断されるも驚異的な回復力で、6カ月でピッチに戻ってくると、6月のスウェーデン遠征直前に滑り込むように代表に復帰。そして、土壇場でロンドンへの切符を勝ち取ったのだ。彼女はロンドン五輪に向けての”秘密兵器”と意気込みを本誌だけに披露してくれた。
「ロンドン用にって勝負パンツ(下着)を3枚用意したんです。W杯のときのはもうボロボロになっちゃいましたから(笑)。五輪への意気込み? 途中から出て流れを変えることは誰よりも自信がある。だから、サブという役割も納得できています。W杯で優勝し、五輪でメダルを獲ってこそ本当の力が証明できると思っています。私にとって最後の五輪になるだろうし、自分が持っている全部の力を出し切りたいです」
(週刊FLASH 2012年7月24日号)