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初戦辛勝の侍ジャパン、稲葉篤紀監督の“迷采配”に疑問噴出!

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2021.07.28 21:53 最終更新日:2021.07.28 21:54

初戦辛勝の侍ジャパン、稲葉篤紀監督の“迷采配”に疑問噴出!

写真・時事通信

 

 7月28日、東京五輪野球が開幕し、A組の日本はドミニカ共和国に4対3でサヨナラ勝ちを収め、辛くも白星発進した。6回までは0対0の緊迫した投手戦だった。侍ジャパンは開幕投手に指名された山本由伸(オリックス)が被安打2、奪三振9、ドミニカのC.C.メルセデス(巨人)も被安打1、奪三振7と両者とも譲らない。だが、稲葉篤紀監督が山本に代えて、7回から下手投げの青柳晃洋(阪神)を送ると、2点を奪われてしまった。

 

 理解しがたい交代だった。山本は5回から4者連続三振を奪うなど完璧な投球で、まだ88球しか投げていない。完封ペースの投手の後を継ぐというプレッシャーのかかる場面で、侍ジャパン初選出の青柳を送ったのだ。しかも、7回のドミニカは左のフランシスコ(元巨人)から始まり、1人挟んでスイッチヒッターが5人続く。

 

 

 今シーズンの青柳は対右打者に打率2割2分8厘、対左打者に打率2割9厘と、どちらも抑えているが、昨シーズンは右に打率1割9分3厘と封じたものの、対左打者に打率2割8分8厘と打たれていた。結局、青柳は1回持たずに降板してしまった。

 

 どんな投手も、初登板は今後の出来を左右するほど大事なゲームになる。打ち込まれれば、尾を引きずるものだ。とくに、青柳は国際大会で貴重な戦力となる下手投げの変則投手。だからこそ、もっと場面を考えて慎重に起用すべきだったのではないか。アテネ五輪のとき、シーズン開幕12連勝を記録して選出された近鉄の岩隈久志は国際大会初経験で、予選リーグの2戦めのオランダ戦に先発したものの、2回途中3失点で降板。その後、出番はなかった。

 

 2点を先制された日本は7回裏に浅村栄斗(楽天)、柳田悠岐(ソフトバンク)の連打で無死2、3塁のチャンスを作る。ここで、メルセデスは降板。右のカスティジョがマウンドに上がると、日本は7番の菊池涼介(広島)が三振に倒れ、8番の村上宗隆(ヤクルト)のファーストゴロの間に1点を返したが、9番の甲斐拓也(ソフトバンク)はライトフライに倒れ、同点にはできなかった。

 

 絶好のチャンスがめぐってきたが、稲葉監督は7番にも9番にも代打を送らなかった。9回裏に甲斐のスクイズで追いついたものの、7回に同点にできていれば、そのまま逆転した可能性もある。甲斐は今シーズン2割3分7厘しか打っておらず、得点圏打率も同じ数字。7月の月間打率は1割8分8厘と低迷していた。捕手2人制で代えにくいのかもしれないが、今大会は延長になるとタイブレーク方式になる。栗原陵矢(ソフトバンク)、近藤健介(日本ハム)という捕手経験のある選手も登録している。

 

 稲葉監督の采配は、どうも後手に回っている印象がある。1点差に詰め寄った9回裏、1死1、3塁になってから3塁ランナーを近藤から足の速い源田壮亮(西武)に代えた。結果的には甲斐のスクイズで同点にできたものの、相手に『スクイズをしますよ』と言っているようなものだった。

 

 投手交代に関しては決め事として試合前の構想どおりに代えているのか、柔軟性を感じられない。一方、攻撃面の選手交代は決断力に欠け、勝負所で代打を送れず、後手後手に回っているように見える。それでも、選手の踏ん張りで初戦をモノにできた。

 

 悲願の金メダルへ、いちばんの課題はベンチワークかもしれない――。

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