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【カタールW杯「死の組」突破法】ドイツの弱点はカウンターにありと “サッカー店長”

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.06.11 16:00 最終更新日:2022.06.11 16:00

【カタールW杯「死の組」突破法】ドイツの弱点はカウンターにありと “サッカー店長”

6月6日の対ブラジル戦で采配を振る森保一監督

 

 11月21日から始まるカタールW杯で、優勝経験4度のドイツ、1度のスペインと顔を合わせる “死の組” のグループEに入った日本代表

 

 森保一監督(53)は自身の経験をもとに「(同じカタールの)“ドーハの悲劇” を経験しましたが、今度は“ドーハの歓喜” に変えたい」と宣言したが、日本がかつて出場した大会のなかで、もっとも困難と思われるグループを突破できる可能性はいかほどか。

 

 自身にサッカー選手の経験はないが、サッカーゲーム好きが高じて戦術オタクとなり、現在はJFL昇格を目指す「おこしやす京都AC」の戦術分析官を務める龍岡歩氏に、今回、日本代表が「死の組」を突破するための独自の秘策を聞いた。

 

 龍岡氏は1993年のJリーグ開幕に衝撃を受け、12歳から日々ノートに記録しながら戦術を徹底的に研究。サッカーの観察眼を鍛えるため、19歳から欧州と南米を放浪し、28歳からサッカーショップの店長を務めながらブログ『サッカー店長のつれづれなる日記』を綴った。

 

 これが評判となり、クラブから声がかかった類まれなる人物。初の著書『サッカー店長の戦術入門』も売れ行き好調だ。

 

 

――まず、日本がグループEに入った印象から。

 

「日本の実力とポット分け(世界ランキングにしたがって4つの抽選箱に各国を割り振る)から見て、どういう組み合わせになっても厳しいという前提はありました。

 

 ただ、日本がサッカーでドイツ、スペインといった超一流国とガチで試合できる機会は、W杯しかありません。日本がドイツ、スペインとW杯でやるのは史上初であり、本気で試合をするのも、今回が初めてのこととなんです。

 

 勝っても負けても日本にとっては歴史的に大きなことだし、そういう意味では貴重な経験になる。だから一歩引いて見れば、すごく楽しみな組み分けになったという見方はできますね」

 

――日本は最終予選の序盤では4-2-3-1のフォーメーションでスタートしましたが、調子が出ずに4-3-3に変えて突破できた。

 

「サッカーにおいてフォーメーションは重要ですが、試合内容への影響はそれほど高くない。日本が最終予選でフォーメーションを変えて成績がよくなったという一面はありますが、それより選手の構成が変わったことが大きいでしょう。とくに中盤の底に遠藤航を置き、田中碧と守田英正の3枚で組んだことですね」

 

――日本は、11月23日の初戦でドイツと対戦します。

 

「過去、日本がW杯を戦ってきて、やられるというか、苦手なのは相手FWにデカくて強い選手がいるとき。これが明確に負けるパターンだと思うんです。

 

 2014年W杯のコートジボワール戦で日本はよく戦っていたんですが、残り20分で巨漢のドログバが入ってきた瞬間に流れが変わって逆転負けした。

 

 前回大会も、ベルギー相手に2点リードしながら身長191cmのルカクのポストプレーで流れが変わった。要するに、肉弾戦を仕掛けられたときが苦手なんです。

 

 その観点でいうと、今回対戦するドイツとスペインには前線にそのような大型FWがいない。

 

 ドイツでいえばトップのヴェルナーは、もともとブンデスリーガの中堅クラブでプレーしていたときはエースで得点を量産していました。

 

 その活躍が認められてプレミアのビッグクラブであるチェルシーに引き抜かれたわけですが、得点をあまり取れていない。代表戦でも同様。現状、そんなに点を量産するタイプではないし、ディフェンス面から見ると、日本がむしろ得意としているタイプなんです。

 

 彼がうまいのは駆け引き。体もそんなに大きくないし、テクニックもそこそこ。ブンデスリーガーのディフェンダーは大柄ですが、駆け引きに弱い部分がある。

 

 だから、ヴェルナーはブンデスリーガでは点が取れていたけれど、プレミアでは取れていない。日本人も駆け引きがうまいので、この手のタイプのFWを抑えるのには、そんなに苦労しないと思います」

 

――ドイツの弱点は?

 

「ドイツはネーションズカップ6試合で13失点しているんですね。ユーロ2020でも4試合で7失点。けっこうDFに穴があるんです。なので、勝ち点3を獲るならドイツだと思っています。少し前にドイツはルーマニアと試合をしましたが、ルーマニアはランク47位で日本は28位。ドイツにとって格下のルーマニアは0-1と善戦しました。

 

 そのときルーマニアはうしろを固めて5-4-1でしたが、その結果を考えると日本としては3バックもありかな、と思います。

 

 また、ドイツはカウンターからの守備には少し弱さが出ているので、日本は粘り強く守ってカウンターに活路を見出したい。相手のDFラインにスピードやアジリティ(敏捷性)のある選手が少ないので、今回の日本の最終予選でも武器になっている左の三笘薫、右の伊東純也は、ドイツにとってけっこうイヤな選手のはずです。

 

 さらに、最近のドイツはサイドバックに人材が不足している。しかもドイツの攻撃時は、サイドバックがかなり高い位置を取りますので、その上がったぶんのスペースを突けば、残っているのはでかくて足の遅いセンターバック2枚。

 

 それに対して日本のサイドの2人はスピードがあるので、局地戦だけみれば日本に分があるんじゃないでしょうか。

 

 そういった形で、カウンターからの一瞬のチャンスをものにしたい。守備のときは3バックから5バックにしてうしろを固めるやり方はありかな、と思っています」

 

――その場合の日本のフォーメーションは?

 

「現実問題としては、最終予選でつかった4-3-3が本命でしょう。あとは三笘をスタメンで出すかどうかといったところ」

 

――メンバーは?

 

「GKは権田修一、DFは右から酒井宏樹、冨安健洋、吉田麻也、中山雄太。中盤はアンカーに遠藤、守田、田中。3トップは右に伊東、左に三笘、トップに大迫勇也、あるいは上田綺世ですね。予選の終盤はほぼこのメンバーで固定されていましたので、安心感があると思います」

 

 スペインとの戦いについては●こちら●に続く。

 

( SmartFLASH )

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