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中田翔 批判渦巻くオールスター選出へ…開幕前、本誌に独占告白した「昔からアンチはたくさん。慣れっこなんだよ」【2022年・上半期の主役】
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.07.04 06:00 最終更新日:2022.07.04 06:00
7月26日、27日にプロ野球「マイナビオールスターゲーム2022」。
6月27日に締め切られたファン投票は7月6日に最終結果が発表されるが、セ・リーグの一塁手部門は読売ジャイアンツの中田翔(33)が、中間発表で2位に4万票以上の差をつけており、選出はほぼ確実な状況だ。
2021年は日本ハム在籍時の2020年8月に暴力不祥事を起こし、無期限の出場停止処分。その直後に巨人へ移籍したものの、63試合の出場に留まっていた。
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今季は開幕一軍入りを果たすなど復調気味だが、打率.234、7本塁打(7月4日時点)でのオールスター選出にはSNS上で疑問の声が上がっている。
「親しい人から『去年は中田のプレーを観ていて正直楽しくないし、おもしろくなかった』って言われて目が覚めた」
シーズン開幕前の2022年1月に中田は本誌にこう打ち明けていた。
自ら弟子入りを志願した巨人の秋広優人や、日ハムの姫野優也ら、後輩を指導する役目を引き受けて、中田は沖縄県石垣島での自主トレーニング先にやってきた。
騒動から半年のこのとき、中田は当時のことをどう思っていたのか。1月21日、練習後、グラウンドから出て来た中田を直撃すると、初めこそ記者を拒絶する姿勢を見せたものの、次第に重い口を開いていた。
――騒動について、今はどのように感じられていますか?
「理由はどうあれ、自分のやってしまったことはしっかり反省しないといけないし、皆さんの期待を裏切ってしまったことに対しては、後悔でしかないですね」
――試合出場停止になった期間はどう過ごしましたか?
「外に出られる状況でもなかったから、家でずっと過ごしてましたね。そのときは、『自分の野球人生はこれで終わるんだろうな』って思ってました。いろんな方から連絡をもらいましたし、厳しい言葉もかけられました。家族にも嫌な思いをさせてしまった」
――巨人への移籍については、栗山監督(当時)から原監督に直談判があったという報道もありましたが?
「もう、本当にわからないですね。俺にも栗山監督から直接電話が来て、話しました。『しっかり反省しような』っていうことと、『でもな、やっぱりまだ(野球を)諦めたらだめだぞ』という言葉をもらって、一からやるしかないなと腹が決まった。正直、現役を続けられるとは思っていなかったけど、そのなかでチャンスをいただいたので、もうやるしかないなと」
野球人生が終わるかもしれない絶望から中田を救ってくれたのが、この栗山監督の電話だったという。
だが、“新天地” となった巨人は「紳士の球団」といわれ、規律を重んじることで有名だ。日本ハムとはまったく違う環境が、中田を待ち受けていた。
――8月20日、巨人に入団しました。
「言われたことは、髭と茶髪はやるなよっていう、それだけ。今まで自分がやってきたこととは正直真逆だったけど、今回はチャンスをもらった以上、ちゃんとやらなきゃいけない。人生一回きりなんで、俺のやりたいようにしたいという気持ちはありますが……。そういう規則があることは、嫌だとも思ってない」
――巨人以外のオファーは?
「話をしてくれる方はいましたけどね、もちろん……」
――小林誠司選手(32)や菅野智之投手(32)などが、移籍後フォローしてくれた、という報道もありました。
「同級生が多いんでね、声をかけてくれたし、気を遣ってくれた。こういう形でチームメイトになったにもかかわらず、『なんかあったら言ってこいよ』って言ってくれる関係になった。それは本当にありがたかったですね」
――自主トレに、秋広選手の志願を許諾したのは?
「こうやってともに戦っていけるメンバーとしか自主トレはしたくないので、断わってるコたちもいます。彼には、一緒に切磋琢磨して上を目指していこうよ、っていう気持ちがある。かしこまらず、もっとスケールの大きな選手になってほしいですね」
――巨人に入団するにあたって、背番号「10」を引き継ぎました。
「ジャイアンツを代表する阿部(慎之助)さんがつけていた背番号だっていうのはとても大きいですね。重いかって言われたら、そりゃ重い(笑)。『俺にはまだ早いよな』っていう気持ちもあった」
もちろん、この背番号「10」は球団が抱く中田への期待の大きさの表われだ。ジャイアンツの一員になった重みを、中田は誰よりもわかっている。しかし、それだけで終わらないのが、この男だ。
今シーズンへの思いを尋ねると、目に力をこめてこう切り出した。
「今は自信しかない。まずは巨人の選手として、そして自分らしくやらないといけないと思っています。去年は三振しても、『くっそー、次の打席は見とけよ!』っていう闘志がないなって自分でも思ってた。『ハイハイ、こんなもんか』みたいな諦めの感じですね。
今年は、もちろん球団のルールはきちんと守ったうえで、俺らしく、そして荒々しくやりたいなって思ってます。今までどおりのスイングを取り戻したいんで……」
ここで、記者には中田が少し笑ったように見えた。
「でも――。そのためにも、好き勝手って言ったら語弊があるけど、自分の好きなようにやっていくのが俺らしさだとは思ってますね。まわりにどう言われようがかまわない。自分の味方を増やそうと思ってやってるわけじゃないしね。
まあ昔から『アンチ中田』はたくさんおったから(笑)、そこはもう慣れっこなんだよ」
アンチに対して、もう慣れっこと話していた中田だが、オールスター選出へ高まる批判を結果で見返すことはできるのか。
( SmartFLASH )