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カープ新監督・新井貴浩 「男気」はプレーだけじゃなかった!「2011年開幕問題」選手会長の奮闘秘話
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.10.07 17:25 最終更新日:2022.10.07 17:26
7日、広島カープの新監督に就任したことが公式発表された新井貴浩。抜擢の要因として、野球観のみならず人間力の評価もあった、との報道がある。その評価の片りんともいえる姿を、11年前に新井は見せていた。
2011年、当時阪神に在籍していた新井。5年間リーグ優勝から遠ざかっている阪神にとって、V奪回は至上命令だった。そんななか、新井の成績は振るわなかった。安打の出ない打席は24にまで伸びていた。
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しかし、そんな悩みはおくびにも出さず、彼は調整以外の大事な仕事を黙々とこなしていた。世論を敵に回してまで3月中の開幕を進めようとした巨人主導のセ・リーグ。対して新井は、東日本大震災を念頭に「時期尚早」を訴えつづけた。そして勝ち取った「4月12日セ・パ同時開幕」に、新井は涙した。
当時、この「開幕問題」を取材した担当記者は、「高給取りとなっても変わらない人間性が素晴らしい」と言う。
「選手会長は誰もがやりたがらないポスト。新井の前任である(ヤクルトの)宮本慎也のときもじつは、まず巨人の高橋由伸やソフトバンクの小久保に後任を打診した。ところが2人から断わられ、ならば年齢はやや若くても、しっかりした考えを持っている新井に頼んだわけです。彼は若手と食事に行ったら絶対払わせない。金本の影響でしょうが、面倒見のいいことでも知られています」(担当記者)
同級生で、いまも家族ぐるみの付き合いが続く県立広島工野球部副将だった小玉真寬さんも新井の優しさに惚れた一人だ。
「高校時代、僕が『野球で五輪に行きたい』と言ったことを覚えていてくれたようで、北京五輪で着たユニホームを『やるわ』とくれたんですよ。また、僕の教え子が野球で大学に進学できることになったとき、『経済的な事情で用具が買えない』と話したら、用具一式を贈ってくれたこともあった。そういうことをさらっとやるやつなんです。
開幕問題では大変だったろうと思ってメールしたら、『わしだけの考えじゃなくて、選手会の意見を言っているだけだから、自分だけがクローズアップされるのはよくない』と返信してきました。昔からですけど、真面目だし、思いやりのある男です」
選手としてだけでなく、選手会長としても「男気」を見せていた新井。監督でも、その人間力が発揮されるか。
( SmartFLASH )