■点をやらなければ強豪・スペインにも焦りが
かつて“無敵艦隊”の異名を取ったスペインと日本はどう戦うべきか?
P スペインにとって嫌な展開は、試合を支配しながらも点が入らない時間が続くこと。そうなれば焦りが生まれ、心理的にやっかいなことになる。だから、日本は相手に点をやらないよう粘り続けることができれば、チャンスは必ず生まれる。
日本がドイツ戦で、もっとも注意すべき選手は誰か?
M バイエルンのジャマル・ムシアラは、今季旋風を巻き起こしているが、W杯でも同じようなことができるだろう。彼はまだ19歳だが、すでにゴールを脅かすだけでなく、“違い”を生み出すことができる(試合で自ら流れを作る)存在。ドリブル能力も高く、そして非常に落ち着いているだけに、彼を自由にさせることは危険だ。
最後に両記者に、優勝国を予想してもらった。
P 決勝はアルゼンチン対ブラジルで、優勝はアルゼンチン。あくまでも希望だが、メッシが“世界の王”(MVP)になったらおもしろい。
M スペイン、オランダ、ブラジルが優勝候補だ。そのなかで、私ならブラジルの優勝に賭ける。残念ながら、今大会のドイツは優勝候補ではないし、スペインのようなトップレベルの国との対決では、劣勢を強いられるとみている。
過去の実績や個々の選手の力関係を考えれば、グループEはスペインとドイツが突破するのが順当とされるだろう。ただ、スペインは’14年ブラジル大会、ドイツは前回’18年ロシア大会で、優勝候補と期待されながら1次リーグで姿を消しているのも事実。日本代表は予想を裏切って決勝トーナメントに進めるか。かつて森保一監督も経験した「ドーハの悲劇」の舞台で、新たなドラマが生まれることに期待したい。
※成績等は10月28日(日本時間)時点のもの
写真・渡辺航滋、AFLO 構成・栗原正夫 取材協力・EIS/豊福晋、鈴木智貴