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歓喜から一転の敗戦で、街でチヤホヤされるのも終了…戦闘モードへの切り替えは難しい【カカロニすがやの「W杯観戦記」】
スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2022.11.28 20:45 最終更新日:2022.11.28 20:45
ワールドカップ現地観戦中のお笑い芸人「カカロニ」のすがやです。こちらカタール、ただいまコスタリカ戦が終わって2時間ほど経ったところです。
そうそう上手くいかないのがサッカー……を噛み締めています。
話はいったん3日前へ。
日本代表が大番狂わせを演じたドイツ戦から一夜明け、まだフワフワしながらドーハの街を歩く日本人たち。そこかしこで声をかけられ、褒められて最高の気分です。
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カタールで唯一ビールが飲める(1杯1900円だけど)ファンフェスタ会場にいくと、日本のユニフォームを着ているだけで奢ってもらえるくらい。
僕も奢りを期待して、ユニフォームを着て一度ファンフェスタ会場に行ってみたのですが、その途中でアルゼンチン人とユニフォーム交換をしてしまったため、日本人だと思われず奢ってもらえませんでした。痛恨の失策です。
ちなみに日本以外に、アルゼンチンを倒したサウジアラビアサポーターも街中では褒められまくりなんですが、僕たちの共通点を見つけました。
南米や欧州の強豪のサポーターは、褒められるとその人たちと一緒になって歌ったり、倒した相手のサポーターがいると「イェーイ!」とか言って明るく煽るのですが、日本やサウジのサポーターは、他の国のサポーターに褒められてはしゃいでいるときに、ドイツやアルゼンチン人を見かけると、声が小さくなって下を向いてしまいます。
向こうは「ナイスゲーム!」とか言ってくれるのですが、こっちは「ふへぇ……」とか弱々しい声しか出ません。まだまだアジア勢はサポーターも勝ちに慣れていません。
ドイツ戦からコスタリカ戦までは中3日あったので、昨日は急きょチケットを譲ってもらえたフランス対デンマークを見に行きました。
この試合のスタジアムは「スタジアム974」という名前で、ワールドカップのために作られ、ワールドカップが終わったら取り壊すことが決まっているので、974個のコンテナを積んで作られています。解体後は資材として再利用されるそうです。
フランス対デンマークといえば、僕は4年前にも同じカードを見ています。その試合は0-0ならお互い決勝トーナメント進出が決まるということで、サッカーというより22人が棒立ちでボールを転がすのを観ているといった感じの、観客的には大会ワーストゲームでした。
しかし、今回は違いました。4年前は温存されたフランスのエース、エンバペが凄すぎました。信じられないスピード。チャンスになると、オリンピックの短距離選手のようなフォームでグングン加速していきます。
試合もエンバペ選手のツーゴールでフランスが勝利。僕も最悪だった4年前の観戦の借りを返しました。
その翌日、迎えたコスタリカ戦は13時キックオフ。無料で乗れるメトロは砂漠を進み、終点の駅へ。炎天下のなか、駅からスタジアムに到着したのは3時間前の朝10時。どう見ても日本サポーターの方が全然多い。今日は完全にホームです。
ちなみに、日本代表はアジア諸国に人気があり、日本のユニフォームを着ている外国人もたびたび見かけます。そんな最高の雰囲気にこそ落とし穴があるんですよね……。コスタリカ相手に痛恨の0-1。敗戦です。
「日本相手に絶対勝たないといけない」と来るコスタリカに対して、戦い方としては間違ってなかったと思うんです。でも、ドイツ戦のダメージなのか調子がよくない選手がいたり、なによりコスタリカのファーストシュートで決められてしまったのが痛かった。
あれが決まってなければ、そこから前に出てくるコスタリカを逆にカウンターで仕留められた。でも、そう上手くいかないのがサッカーなんですよね。ドイツ人も日本戦のあと、そう思ったんだろうな。
このあとのドイツ対スペインの結果次第で、日本に求められるものは変わってきますが、この時点でひとつ確実に言えるのは、スペインが勝ってくれた方が(できれば大差で)ありがたい、ということ。
なので、敗戦を見届けた我々は、「スペイン代表を応援する英気を養うため」というポジティブな理由で、試合終了早々にスタジアムを後にしたのでした。みんな下向いてたけど。
もちろん、カタールまで来て、生で応援してたらそんな簡単には切り替えられません。でも、これで日本サポーターが街でチヤホヤされるのは終わり! 今日はビールも奢ってもらえない。今日がカタールに来て一番ビールが必要なのに……。
今すぐ切り替えは無理なので、まずはドイツ対スペイン戦を見て、3日後のスペイン戦でどうしたらいいかを確認したら、僕も戦闘モードに切り替えたいと思います! だから、今日だけは1900円のビールを飲ませてください。
写真&文/すがやなおひろ、構成協力/松田優子
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