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江本孟紀が大谷翔平にアドバイス「長くやるなら打者のほうが」…二刀流を疑問視していたOBいま何を思う

スポーツ 投稿日:2023.04.26 06:00FLASH編集部

江本孟紀が大谷翔平にアドバイス「長くやるなら打者のほうが」…二刀流を疑問視していたOBいま何を思う

野村克也氏の孫・忠克さんと並ぶ江本孟紀氏(写真・時事通信)

 

 4月24日現在、防御率リーグ1位、5本塁打と投打ともに好調の大谷。今オフはFAとなり、提示される契約額は史上最高とも噂されるほど二刀流は進化中だが、プロ入り当初は「投打のいずれかに絞るべき」という声は強かった。

 

 中日、楽天などで活躍した山崎武司氏もその一人だった。

 

 

「当時は、まだ体ができていないなかで160キロを投げていて、僕は投手としていくべきかな、と思っていました。入団直後の打撃はそこまでじゃなかったので。しかし、今では当初の懐疑的な見方をすべて覆しましたね。

 

 話によると、超ハードなスケジュールをこなしているようだし、自分の血液を調べてどんな食べ物が体に合っているかチェックするなんて、なかなかできませんよ。試合後は美味しいものを食べたいし、ときには羽目を外したくなる。普通はそこまで断ち切れないでしょう」

 

 金村義明氏も二刀流には反対だったが、入団当初に大谷のプレーを目の当たりにし、前言を即撤回したという。

 

「前例がないし、難しいと感じましたが、彼が日ハムで初めて参加したキャンプで、見方は一変しました。午前中に初めてブルペンに入ったのですが、もはや高校生の投げる球じゃなかった。現オリックスの監督である中嶋聡と一緒に見ていて、お互い顔を見合わせ『これはいけるで!』と言ったことを覚えています。

 

 で、その日の午後には紅白戦があって2打数2安打。左投手のカーブをライトに痛烈なヒット。外野手がジャッグルすると、すかさず二塁を陥れた。そのスピードにも驚かされました。まるで水島新司先生の漫画に出てくるような選手。この日から二刀流はできると感じました」

 

 一方、江本孟紀氏は、当初から「大成するならどちらかひとつ」という主張で、これは今も変わらないという。

 

「僕はどちらかに絞れば、これまでのプロ野球の記録の多くを塗り替えるんじゃないかと思っていました。打者なら王貞治さんの本塁打記録や、張本勲さんの安打記録。投手としては、金田正一さんの400勝は無理としても、250から300は勝つと思っていましたから。

 

 やっぱり、プロ野球は記録。二刀流をやったとか、160キロが出たとか、そんなことには意味がない。先人の記録を抜いて初めて評価されるわけですから」

 

 愛甲猛氏は、かつて本誌で「投手で勝負すべき」と語っていたが、二刀流成功は「DHがあったからこそ」と語る。

 

「大谷は野手をやっていないし、DHがあるから両立できている。もし内野手をやっていたら、今以上に負担は大きい。内野手と投手は投げ方が違いますから。

 

 内野手は肘、投手は肩を支点に投げます。また、怪我の功名なのか、故障があって体を鍛えたことが、今のパフォーマンスを出せる要因でしょう」

 

 ロッテで活躍し、MLBのロイヤルズでもプレーした薮田安彦氏は、「ひとつに絞るのはもったいないが、二刀流は単純に難しい」と考えていた。

 

「日本では、投打ともにフルシーズン稼動した年がなかったですよね。それが2021年くらいからほとんどフルで出場するようになって、昨年はついに投打で規定に達しました。投げた翌日の試合でも、DHで出るようになってきた。

 

 この2年間で二刀流でプレーするフォーマットができたのかな、と感じています。今後は、どこのチームに行っても問題なくプレーできそうです」

 

 大谷が次に結ぶ契約は、「12年総額500億〜700億円」といわれる。大型契約だからこそ、江本氏は一本化が最善の策だと言い切る。

 

「僕もそうだったんですが、プロ野球選手は30歳前後で、いろんな意味で体力が落ちてきます。大谷は28歳ですが、今がピークなのではないでしょうか。

 

 どちらを選ぶかは難しいところですが、長くやるなら打者のほうがいいと思いますね。投手は肩や肘の怪我がありますから。数十年に一人という逸材の活躍を長く見たいと思うのは、僕だけじゃないはずです」

 

 今季も投打の記録更新に期待が高まる。

( 週刊FLASH 2023年5月2日号 )

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