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阪神・岡田監督、1970年以降勝率トップの「第1期」に匹敵する「6割超え」で優勝争いの常連になる日

スポーツFLASH編集部
記事投稿日:2023.06.17 17:18 最終更新日:2023.06.17 20:00

阪神・岡田監督、1970年以降勝率トップの「第1期」に匹敵する「6割超え」で優勝争いの常連になる日

首位独走中の岡田阪神(写真・時事通信)

 

 2023年の阪神タイガースは強い。開幕から順調に勝ち星を重ね、5月は7連勝、9連勝を記録するなど19勝5敗。6月、交流戦に入って勢いは少し衰えたものの、現在もセ・リーグ首位を独走している。

 

 今シーズンから岡田彰布(あきのぶ)氏が監督に再登板することになり、関西を中心に、メディアは開幕前から盛り上がっていた。実際に岡田監督の下で勝ち続けているいま、メディアの注目はさらに高まっている。かつて野村克也氏は、「巨人が強くないとプロ野球界は盛り上がらない」とおっしゃっていたが、阪神が強いシーズンも、NPBが盛り上がるような気がするのは、私だけではないだろう。

 

 

 岡田監督は2004~2008年の5年間、阪神の監督を務めており、今回が2期めとなる。第1期での順位はそれぞれ4位、1位、2位、3位、2位。2年めにリーグ優勝を果たすも、日本シリーズではロッテに4連敗。当時はパ・リーグだけがクライマックスシリーズをおこなっており、セ・リーグ覇者の阪神は日本シリーズまで間隔が空いてしまい、対戦前から不利ではないかといわれていた。2007年からはセ・リーグでもクライマックスシリーズが導入され、岡田阪神は2年連続で進出したが、ファーストラウンドで、いずれも落合博満監督が率いる中日に敗れている。

 

 この第1期の5年間の勝率は、じつに.561である。1970年以降のおよそ半世紀のなかでは、阪神の監督としての期別の通算勝率としては、もっとも高い。阪神は1980~90年代に、いわゆる「暗黒期」と呼ばれた不振の時期があるし、チームの勝率は必ずしも監督の手腕だけによるものではないだろうが、大崩れせずコンスタントに勝っていた5年間だと言っていいだろう。ちなみに1970年以降での勝率2位は、2003年にセリーグを制した星野仙一監督(2002~2003年)で.558である。

 

 ところで1970年以降、阪神の監督に再登板したのは、岡田監督を含めて3人しかいない。残る2人は村山実氏と吉田義男氏だ。1970~1972年に監督を務めた村山氏は、2位が2度あり、3年間の勝率は.548と、1970年以降では岡田監督の第1期、星野監督期に次ぐ好成績だった。しかし第2期となる1988~1989年は勝率.408で、チーム成績は6位、5位と振るわなかった。

 

 吉田氏は監督を3期務めている。1975~1977年の第1期では勝率.545で、順位は3位、2位、4位だった。日本一になった1985年を含む第2期では、最終年となった1987年に最下位となったせいもあり、3年間の勝率では.477。優勝のインパクトが強いものの、通算勝率では第1期を超えることはできなかった。そして1997~1998年の第3期はさらに勝率が下がり.422で、順位は5位、6位だった。

 

 この2人の監督が再登板、再々登板で成績が落ち込んだのは、関西のメディアのプレッシャーもさることながら、先述した「暗黒期」も多少、関係しているだろう。野村氏は阪神の監督時代、勝てるチームを作るために重要なのは、監督よりも編成部だ、と訴えていたという。

 

 岡田監督はそもそも第1期の勝率が高く、それを上回るのは相当に困難なのだが、それでも2023年の阪神の勝率は、現在のところ.633。これほどの高勝率で最後まで行くことは考えにくいが、第2期の岡田監督が自身の第1期の勝率に匹敵するようなら、すなわち、それは阪神が優勝争いの常連になることを意味する。阪神ファンでなくても、岡田監督の手腕に期待したくなる。

 

(文・小島一貴)

 

※記録は6月16日現在

( SmartFLASH )

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